NTT東がeスポーツの新会社を設立する狙い
NTT東日本は2020年1月に、ゲーム対戦競技「eスポーツ」大会の企画運営や通信網の構築を手がける新会社を設立する。複数の会場にいる選手たちの同時対戦を実現する高速通信網の構築、観客へのライブ配信サービスを提供。第5世代通信(5G)を建物内限定で利用するローカル5Gを用い、会場の観客に拡張現実(AR)を用いた臨場感ある試合映像をリアルタイム送信するなどeスポーツ観戦の新たな楽しみ方を作る。
新会社では、eスポーツで町おこしをしたい自治体向けにイベントの企画運営も受注する。eスポーツ部設立に動く高校、筋ジストロフィー患者などのリハビリ用としてeスポーツを採用している病院の通信環境も構築する。外出が困難な患者からは遠隔対戦が好評で、病院からの引き合いも多いという。新会社で24年度までに40億円の売り上げを目指す。
NTT東は3月にeスポーツへの参入を発表。自社の通信網を活用してeスポーツ開催施設に情報通信技術(ICT)環境を提供するほか、電話局など自社の通信ビルを活用したeスポーツイベントの受託に取り組む意向を示していた。
カプコンが3月に開いた国内最大級の大会「ストリートファイターリーグ・グランドファイナル大会」にICTサプライヤー(供給事業者)として参加。2拠点の会場間を結んだ遠隔対戦も行った。
NTT東は24日に総務省が始めるローカル5G免許の申請に応募する。高速大容量の5G網を生かした観戦サービスも提供する見込みだ。
日刊工業新聞2019年12月20日