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吸着と把持の両方を1つの手で!進化するロボット向けハンド

【前橋】ウエノテクニカ(群馬県桐生市、塩谷功社長)は、1台で加工対象物(ワーク)の吸着と把持に対応する産業用ロボット向けハンドリング装置を開発した。バラ積み部品のピッキング作業などでの用途を見込んでおり、ワークの重量や大きさに応じて二つの機能の使い分けが可能。自動車産業向けを中心にニーズを探り、早期の実用化を目指す。

ハンドの先端部分に、ワークを吸着するための真空パッドと、部品を把持するためのフィンガーを装備している。通常はパッドが先端部分に突き出ており、フィンガー部分は折りたたまれた状態。フィンガーを使う時には伸長させて先端方向に移動させ、パッドを直動機構で動かし上部に収納する。対応可能なワークの重量は1キログラム程度。

ハンド部分のツールを交換せずに、ワークの吸着と把持を行う作業に導入できる。ワークの大きさや重さに応じた使い分けのほか、パッドで吸着した後にフィンガーで把持しながら特定の位置にワークを取り置くといった作業にも利用可能。

パイプ形状をはじめとする自動車の排気系部品のピッキング作業での利用を見込む。自動車以外の分野についても、ニーズを探索しながら広く用途を開拓していく考え。

同社は、自動車部品の設計・製作などを手がけるヒロテック(広島市佐伯区)のグループ企業。18日から東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「国際ロボット展」に出展する。

日刊工業新聞2019年12月13日

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