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3年で6300億円投資、出光が新中計で強化するモノ

高機能材など

出光興産は14日、昭和シェル石油との4月の経営統合後初となる2020―22年度の中期経営計画を発表し、3年間で合計6300億円を投資する計画を示した。経営統合のシナジーは21年度までに計600億円を見込む。18年の経営統合契約締結時に19―21年度の中計を示していたが、発足後の議論を踏まえて再策定した。

木藤俊一社長は会見で「国内の石油需要は減少し続ける。高機能材の事業領域拡大に向けて積極的に投資する」と方針を述べた。

機能化学品、潤滑油などの高機能材料や、ガス田開発、太陽光発電などに計1900億円投資する。M&A(合併・買収)は高機能材中心に1000億円の財源を確保。製油所のメンテナンスなど維持更新には2700億円を投資する計画。

統合シナジーは19年度に計300億円を見込んでおり、販売戦略見直し、精製コスト最適化などで上積みする。22年度の経営目標は、当期利益1750億円を目指す。

30年までのビジョンも示した。国内の石油需要が3割減る前提で、30年度の営業利益のうち高機能材事業で30%以上を目指す。国内の7製油所については、従来通り維持する考えを示したが、「構造改革が必要になるか20年代中盤には検討する」(木藤社長)方針。

日刊工業新聞2019年11月15日

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