企業向けのスムージー定期配送、セミナーとセットだと売れる?
キリンビバレッジ、顧客3倍へ
キリンビバレッジが2019年に開始した、野菜・果実のスムージーの定期配送と健康セミナー開催を提供するサービス「KIRIN naturals(ナチュラルズ)」が首都圏の中小企業を中心に広がりをみせている。従業員向けの健康的な食品とともに健康などをテーマにした多様なセミナーをセットにしたサービスがポイント。福利厚生を提供する企業にとって“お得感”のある内容として、20年には顧客数を現在の3倍となる600件を目指すという。
ナチュラルズは、スムージー提供数で1カ月120―510個、セミナー開催数で年2―8回をセットにした4種類の契約プランから選べる。スムージーは3種類で野菜と果実を組み合わせた「グリーン」「イエロー」「ホワイト」の3種類。
販売用ショーケース、値札、集金箱もセット内容に含まれる。同事業担当を務める善田英樹マーケティング本部ブランド担当主任は「スムージーの運用は企業側に任せる方式。社員に一部負担してもらったり、無料提供したり、社外に配布したりと自由な使い方ができる」と説明する。
このサービスのキラーコンテンツになりつつあるのが健康セミナーという。当初は野菜ソムリエによる「食育マルシェ」や、職場での姿勢改善体操の「オフィスdeエクササイズ」を展開。さらに健康的なお酒の楽しみ方の「適正飲酒セミナー」や口内健康に関する「オーラルケア」、良い眠りに関する「睡眠セミナー」を加えた。
善田主任は「一般に企業がセミナー開催のため高額の負担が必要だ。ナチュラルズを契約すれば、スムージー購入でセミナーが無料で付いてくるイメージ」と人気の理由を明かす。今後は、チームで料理を作る「チームビルディング」や「お笑い」のセミナーなども検討する。
ナチュラルズは1月に全国展開を開始し、9月末までにショーケースで190台を運用中で、年末には250台程度に拡大する見込み。中小企業のほか、大手からも引き合いが増えており、「次年度には600台を目指したい」(善田主任)と強気だ。
驚くのはこのサービスをほぼ2人の専任者だけで運用していること。営業からサービスまでを電話とメールで可能な限り完結できるようなシステムを構築している。仮にショーケースに不具合が出れば、そっくり入れ替えて対応するという。「人手をかけないと回らない新規事業はリスクが大きく、良くない」(同)という考えからだ。次年度以降に事業がさらに拡大すれば増員も検討する。
キリンビバレッジは一般消費者向けの飲料販売がメーン。法人向けの健康食品といったサービスのチャンネルづくりは初めての試みだ。キリングループとしても健康・未病領域の「医と食をつなぐ事業」を新たな成長分野に位置付けており、この狙いに合致した事業でもある。それだけに善田主任は「グループで協力しながら新たなサービスとして切り開いていきたい」と意気込む。(文=編集委員・井上雅太郎)
ナチュラルズは、スムージー提供数で1カ月120―510個、セミナー開催数で年2―8回をセットにした4種類の契約プランから選べる。スムージーは3種類で野菜と果実を組み合わせた「グリーン」「イエロー」「ホワイト」の3種類。
販売用ショーケース、値札、集金箱もセット内容に含まれる。同事業担当を務める善田英樹マーケティング本部ブランド担当主任は「スムージーの運用は企業側に任せる方式。社員に一部負担してもらったり、無料提供したり、社外に配布したりと自由な使い方ができる」と説明する。
このサービスのキラーコンテンツになりつつあるのが健康セミナーという。当初は野菜ソムリエによる「食育マルシェ」や、職場での姿勢改善体操の「オフィスdeエクササイズ」を展開。さらに健康的なお酒の楽しみ方の「適正飲酒セミナー」や口内健康に関する「オーラルケア」、良い眠りに関する「睡眠セミナー」を加えた。
善田主任は「一般に企業がセミナー開催のため高額の負担が必要だ。ナチュラルズを契約すれば、スムージー購入でセミナーが無料で付いてくるイメージ」と人気の理由を明かす。今後は、チームで料理を作る「チームビルディング」や「お笑い」のセミナーなども検討する。
ナチュラルズは1月に全国展開を開始し、9月末までにショーケースで190台を運用中で、年末には250台程度に拡大する見込み。中小企業のほか、大手からも引き合いが増えており、「次年度には600台を目指したい」(善田主任)と強気だ。
ほぼ2人で運用
驚くのはこのサービスをほぼ2人の専任者だけで運用していること。営業からサービスまでを電話とメールで可能な限り完結できるようなシステムを構築している。仮にショーケースに不具合が出れば、そっくり入れ替えて対応するという。「人手をかけないと回らない新規事業はリスクが大きく、良くない」(同)という考えからだ。次年度以降に事業がさらに拡大すれば増員も検討する。
キリンビバレッジは一般消費者向けの飲料販売がメーン。法人向けの健康食品といったサービスのチャンネルづくりは初めての試みだ。キリングループとしても健康・未病領域の「医と食をつなぐ事業」を新たな成長分野に位置付けており、この狙いに合致した事業でもある。それだけに善田主任は「グループで協力しながら新たなサービスとして切り開いていきたい」と意気込む。(文=編集委員・井上雅太郎)
日刊工業新聞2019年10月11日