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3分でカンタン認知症診断!映像を眺める目の動きで解析

阪大の早期診断へつなげる技術開発
 大阪大学大学院医学系研究科の大山茜医師と武田朱公寄付講座准教授、森下竜一寄付講座教授らは、目の動きの解析により認知症の早期診断へつなげる技術を開発した。映像を眺める視線の動きだけで、判断力や記憶などの認知機能を、3分以内と短時間で容易に評価できる。従来の問診による評価と違い、専門医でなくても認知機能を確認しやすい。認知症を早期に発見して予防的な取り組みを行うことで、発症の抑制につながる。

目の動きを利用した認知機能検査(イメージ)

 開発した技術は赤外線カメラによる視線検出技術と、判断力や記憶、空間認知機能などの認知機能を評価する映像を組み合わせた。視点が画面上のどこへ向いているかのデータから、独自開発の計算手順により認知機能を定量的に算出する。

 2分50秒の映像を眺めるだけで検査ができるため負担が少なく、高齢者が検査を受けやすい。従来の医師による対面での問診評価で課題だった、長時間の検査による患者の心理的負担が大きい点を解消できる。

 言語をほとんど使わないため、国際標準の検査法としての発展も期待される。

 成果は米科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に10日付で掲載された。

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