「大阪梅田駅」への名称変更だけで“迷宮’から脱出できる?
「梅田ダンジョン」も待ち受ける
「梅田駅」(阪急、阪神)と「大阪駅」(JR西日本)―ほぼ同じエリアにありながら鉄道会社で駅名が異なるのを、大阪に住む者は当たり前のように受けとめ暮らしてきた。しかし、他地域からきた人にとってはこれがわかりづらく迷う原因になっていた。ましてや海外から来た観光客にとってはなおさらだ。
阪急電鉄と阪神電気鉄道は、10月1日から「梅田駅」を「大阪梅田駅」に変更する。阪急は同時に「河原町駅」も「京都河原町駅」に変更する。いずれも大阪・京都を代表する駅名を変えるだけに、影響は大きい。
京都を観光して阪急に乗った外国人にとって、自分が今京都にいるのか、大阪にいるのか、駅名だけではさっぱりわからないのを解消しようというのが狙いだ。
来年の東京五輪・パラリンピック、さらに2025年の大阪・関西万博と、多くの外国人客の来訪が予想されるだけに、鉄道会社も大英断を下した。
ただ、大阪駅や大阪梅田駅に到着した観光客を待ち構えるのは複雑な地下街だ。慣れればどこまでも地下で通じている便利さはあるが、観光客には「迷宮」や「迷路」とも言われている。お客さまを迷わせない都市へ、やるべきことはまだまだありそうだ。
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日刊工業新聞2019年8月14日(オピニオン)