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ホンダ、中古車事業刷新の裏にある懸念

グループ内再販強固に
ホンダ、中古車事業刷新の裏にある懸念

八郷社長

 ホンダは6日、国内中古車事業を刷新すると発表した。認定中古車の基準を厳格化し品質・安心感の訴求力を高める。また別々だった販売会社の在庫データを一元的に共有管理し、消費者が全国の豊富な在庫から望みの車両を探せるようにする。新車販売時に下取りするホンダ車をグループ内で再販できる仕組みを強固にし、中古車事業の収益拡大につなげる。ホンダ販売店での2020年度の中古車販売は18年度比17%増の20万台を目指す。

 11月から認定中古車の新基準としてホンダ車であること、修復歴なし、第三者による車両状態証明書発行の三つを定め、新たなブランド「ユーセレクト」を立ち上げる。中古車販売チャンネルの名称は「オートテラス」から「ホンダカーズ・ユーセレクト」に変更する。

 現状の推計で年48万台のホンダ車の中古車が発生し、そのうちグループ内で再度小売りできるのは約12%に留まる。

 岩崎則彦日本本部販売部部長は中古車事業刷新を決めた背景について「中古車専業店が台頭し、中古車領域での利益流出が拡大する懸念がある」と説明した。
日刊工業新聞2019年8月7日

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