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インドのエレベーター市場でシェアわずか1%、日立は巻き返せるか

不動産大手から新規受注、中国工場からコスト競争力の高い製品供給
インドのエレベーター市場でシェアわずか1%、日立は巻き返せるか

日立が昇降機を納入する複合施設「エンバシー・マンヤータ」(イメージを含む完成予想図)

 日立製作所は、インド不動産開発大手のエンバシー・グループからエレベーターなど昇降機49台を受注した。インド南部ベンガルールのオフィス複合施設向けで、2022年の完成予定。インド市場は中国に次ぐ世界2位の規模だが、日立の市場シェアは高級機種中心に1%弱にとどまっている。中国工場からのコスト競争力の高い製品供給などを通じて、有望市場で事業拡大を目指す。

 日立製作所と子会社の日立ビルシステム(東京都千代田区)はインド・ベンガルールに建設中のオフィスとホテル、コンベンションセンターで構成する地域最大の複合施設「エンバシー・マンヤータ」に昇降機を納入する。内訳はエレベーター45台、エスカレーター4台となる。

 同施設はエレベーターホールで行き先階を登録する行き先階予約システムや、利用予測を基に複数台を効率よく配車する将来予測知能群管理システムなどを採用する。

 日立は中国の新設需要が減少する中で、インドを重点市場の一つに位置づける。08年に現地法人を設立して、高級集合住宅やホテルなどに昇降機を納めてきた。6月には同じく南部ハイデラバードの大型オフィスビル向けに計106台のエレベーター受注を発表していた。

 インドの昇降機新設市場は年間5万台超あり、今後も安定成長が期待されている。そのため、日立や三菱電機、欧米の昇降機大手、現地メーカーがそろって参入しており、激しい競争を繰り広げている。

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