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ドローン分野で若手人材育成する「新組織」の狙い

「先端ロボティクス財団」が発足
ドローン分野で若手人材育成する「新組織」の狙い

ドローン競技会を国際化し、世界で活躍できる人材を育成する(イメージ)

 飛行ロボット(ドローン)を中心とするロボティクス分野で、20代の若手人材を育成する組織「先端ロボティクス財団」(東京都中央区、03・5244・9810)が発足した。産学連携チームによる競技会を通して人材を育成するのが特徴で、優れたチームに助成して若手技術者を支援する。さらにグローバルなネットワークを形成し、競技会を国際化。世界を舞台に活躍できる人材を育成していく。

 自律制御システム研究所(ACSL)の創業者である野波健蔵氏(千葉大学名誉教授)が中心となって設立。野波氏は理事長に就任した。さらに米カリフォルニア大学バークレー校や、米カーネギーメロン大学、スイス連邦工科大学チューリヒ校の教授を名誉顧問として招聘(しょうへい)しており、グローバルなネットワークを構築する土台にする。

 競技会はドローンによる離島間の数十キロメートルの長距離飛行や、無人航空機(UAV)と無人車両(UGV)を併用した次世代物流、空中・水中両用ドローン、人工知能(AI)と第5世代通信(5G)、クラウドコンピューティングを活用したドローンなど約10種目を計画している。7―10日間にわたって競技する。

 会場は福島ロボットテストフィールド(福島県南相馬市)や離島、山間部、北海道、神奈川県を計画している。また米アマゾンや楽天がドローン配送の実用化に取り組む中、都心部での競技も実施したい考えだ。野波理事長が会長を務める日本ドローンコンソーシアム(千葉市稲毛区)の協力を得て行う。

 第1弾として2020年6月に実施する計画。19年10月に公募を始め、20年1月に選考、約10チームを選んで各チームに数百万円を助成する。チームは産学連携を基本とし、企業の持つモノづくり力、大学の新しいアイデアと両者の得意分野を融合できるようにする。

 今後はドローン以外にも地上走行ロボットと海上・海中移動ロボットにより、一つのミッションを達成するコラボレーション型の競技などを計画している。競技を通して若手が技術力を磨くことで起業に結び付けるとともに、企業が優秀な若手をスカウトする場にしたい考えだ。

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