【動画あり】東大がウミガメを自動追跡するロボット開発
海洋生物にストレス与えず調査
ロボットが海洋生物の生態解明にも一役買いそうだ。東京大学生産技術研究所の巻俊宏准教授らは、ウミガメを自動追跡する水中ロボット(AUV)を開発した。ソナー画像を人工知能(AI)技術で解析してウミガメを認識させる。人工海水池で飼育ウミガメの追跡性能を確認した。ロボットが海洋生物を追いかけてデータを集めることが可能になる。従来の調査は生き物を捕まえてセンサーを付けて放つため、センサーの選択肢が限られていた。
水中ロボは視野角が左右に130度、上下に20度のソナーで前方を撮影する。このソナー画像をAI処理してウミガメを検出すると、方向などを算出して4メートルの距離を保つように追跡する。
神戸空港島西緑地の人工海水池に飼育されたウミガメを放ち、急旋回されても追跡できることを確かめた。実験では約270秒間、5×8メートルの範囲を追いかけた。
ソナーは白黒の濃淡のある粗い画像として得られる。ウミガメ検出にはリアルタイムで動く一般物体認識AI「YOLO」を採用した。YOLOの学習済みモデルに通常のフルカラー画像データを学習させ、さらにウミガメのソナー画像を再学習させた。
認識性能の高いフルカラーの学習済みモデルを転用することで、ソナー画像のデータの少なさを補った。認識精度は88%と、認識ノイズを除去すれば実用上問題ない。
ロボで海洋生物を自動追跡できると大型センサーを複数投入できるようになる。DNAセンサーや嗅覚センサーなどと映像を同期して記録するなど調査の幅が広がる。
従来はストレスにならないように小型のセンサーを、捕獲した生き物に付ける調査が多かった。
水中ロボは視野角が左右に130度、上下に20度のソナーで前方を撮影する。このソナー画像をAI処理してウミガメを検出すると、方向などを算出して4メートルの距離を保つように追跡する。
神戸空港島西緑地の人工海水池に飼育されたウミガメを放ち、急旋回されても追跡できることを確かめた。実験では約270秒間、5×8メートルの範囲を追いかけた。
ソナーは白黒の濃淡のある粗い画像として得られる。ウミガメ検出にはリアルタイムで動く一般物体認識AI「YOLO」を採用した。YOLOの学習済みモデルに通常のフルカラー画像データを学習させ、さらにウミガメのソナー画像を再学習させた。
認識性能の高いフルカラーの学習済みモデルを転用することで、ソナー画像のデータの少なさを補った。認識精度は88%と、認識ノイズを除去すれば実用上問題ない。
ロボで海洋生物を自動追跡できると大型センサーを複数投入できるようになる。DNAセンサーや嗅覚センサーなどと映像を同期して記録するなど調査の幅が広がる。
従来はストレスにならないように小型のセンサーを、捕獲した生き物に付ける調査が多かった。
日刊工業新聞2019年6月19日(科学技術・大学)