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“下町ロボット”から見えてきたTOKYOモノづくりの底力

“下町ロボット”から見えてきたTOKYOモノづくりの底力

川内社長(左)と葛西臨海水族園開園30周年記念の実証実験で使用するロボ(中央)

 下町ロボット(東京都墨田区、川内一毅社長、03・6874・6278)は、2020年4月から美術館や博物館などの施設向けに、自律移動型・多言語対応案内ロボットの貸し出し事業を始める。これに先立ち葛西臨海水族園(東京都江戸川区)で19年6月から安全性を検証する実証実験を実施する。人への安全配慮義務が履行できることを確認した上で、1台当たりコンテンツ制作付きで月額25万―30万円で貸し出す。初年度貸し出し台数目標は10台、3年後は3倍の約30台を目指す。

 貸し出すロボットは東京都立産業技術研究センターが開発した自律移動型案内ロボット「Libra(リブラ)」がベース。協力会社として浜野製作所(東京都墨田区、浜野慶一社長、03・5631・9111)がロボットを製作する。

 実証実験は、案内ロボットが発する音声と文字、館内図や飼育されているマグロなどの画像をクロームキャストを活用して50インチモニターで映し出し、日・英・中の3カ国語対応で案内する。

 下町ロボットの川内社長は「海外客にも正しく知識をもって帰っていただくよう一役を担えればと思う」としている。実施期間は6月13―23日と、10月3―17日の計26日間。同時に、リコーのクラウドサービスを利用し、360度の定点観測カメラを設置して客の動線やロボットの有無による動線の差、人の集まり具合などもデータ収集する。

 国際規格ISO13482「ロボット及びロボティックデバイス―生活支援ロボットの安全要求事項」の附属書A「生活支援ロボットの重要危険源のリスト」を参考に136項目をチェック。具体的な危険や不安を洗い出し、評価して20年4月以降の貸し出しに生かす。美術館や水族館、博物館、動物園などのほか、飲料メーカーの工場見学といった用途を想定し、イベント専門会社などへ売り込む計画だ。

東京都企業立地セミナーを開催


 東京都産業労働局では、民間事業者や東京都内の区市町村と連携し、東京都内の事業用物件(事業用地、空きオフィス、空き工場、空き店舗など)情報をワンストップで提供する総合窓口「東京都企業立地相談センター」を2017年12月に開設し、好評を得ています。
 今回、開催する「東京都企業立地セミナー2019夏」では、新たなビジネス展開や事業領域拡大のヒントとなる講演、東京都内の大規模事業物件の紹介します。記事に登場する浜野製作所の浜野慶一社長も講演します。
●日時:2019年7月10日(水)
●会場:TEPIAホール
●主催:東京都
※事前申込制、定員150名

参加申し込みはこちらから
                   

日刊工業新聞2019年6月7日

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