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お手持ちの建機をICT化しませんか、コマツが後付けキット

2020年4月に発売
お手持ちの建機をICT化しませんか、コマツが後付けキット

試験導入を発表する(左から)小川啓之コマツ社長、吉沢和弘NTTドコモ社長、前田裕昭ライトハウステクノロジー・アンド・コンサルティング社長

 コマツは28日、既存の建設機械に情報通信技術(ICT)機能を付与する後付けキット「スマートコンストラクション・レトロフィットキット」(仮称)を10月に試験導入し、2020年4月に発売すると発表した。施工中の建機の位置を正しく把握でき、正確な作業につなげられる。中型の油圧ショベルであれば機種を問わずに搭載可能。初年度1万台への導入を目指す。

 建機の姿勢や加速度を計測する慣性測量装置(IMU)センサーのほか、位置計測用の衛星測位システム(GNSS)アンテナ、コントローラーなどで構成する。料金は未定だが手頃な料金とし、利用期間だけ支払う定額制(サブスクリプション)も用意する。

 GNSSを用いて誤差数センチメートルの高い精度で位置を測ることができるNTTドコモのサービス「GNSS位置補正情報配信基盤」を利用した3次元のマシンガイダンス機能を提供する。電子基準点とドコモ独自の固定局がGNSSから観測したデータで建機の位置情報を計測し、施工箇所の設計データと現地盤データとの差分を運転手へ提供することで、より正確な施工を実現する。実証では誤差2センチメートル以内の測位精度を実現できた。

 このほか、施工履歴データを取得してクラウド上に保存する機能、複数建機間の協調機能も同キットで提供できるようにする。

 コマツによると、国内で稼働する油圧ショベル約20万台のうちICT化したものは全体の約2%しかない。小川啓之社長は「施工のデジタル変革を実現することで深刻な労働力不足など、建設現場における社会課題を解決したい」と語った。

日刊工業新聞2019年5月29日

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