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帝人グループ、繊維事業の再構築進む。メタ系アラミド繊維のタイ生産はその象徴!?

2011年の洪水をきっかけに機能繊維に舵を切る
 帝人は19日、タイ・アユタヤ県のメタ系アラミド繊維「テイジンコーネックス ネオ」の工場が稼働し、本格的に生産・販売を始めたと発表した。新工場の総投資額は約45億円。年産能力は2200トン。

 経済成長が進むアジアにおいて、消防や防護に関連した製品の需要拡大が見込めることに対応する。テイジン(タイランド)の敷地内で生産し、供給体制を強化する。

 安定した高い染色性があり、従来の「コーネックス」では難しかった後染め(紡糸・製織後の染色)が可能。このため、顧客の納期要求に柔軟に対応できる。

 帝人は長期耐熱性や難燃性に優れるメタ系アラミド繊維「コーネックス」を山口県岩国市で生産している。

解説


 帝人グループの繊維事業再構築が着実に進んでいます。その一つがメタ系アラミド繊維をタイにおいて生産を開始したことです。生産工場があるのは古都アユタヤに近いハイテク工業団地のTJT(テイジン・タイランド)です。そのTJTは帝人グループで最も新しいポリエステルF・Sの生産工場ですが、2011年タイ洪水でチョオプラヤ川に近いこともあり大きな被害を被りました。その結果、ポリエステルSの設備を廃棄してポリエステルFだけを生産。代わりに機能繊維の強化に取り組んでいます。
峯岸研一
峯岸研一 Minegishi Kenichi フリーランス
タイにおける繊維事業再構築はこれに留まりません。同じTJT内で年内には年産1万6000トンのポリエステル繊維を中心にタイヤコードの生産を開始します。アラミド繊維を含めた2つのプラントが稼働しても敷地には余裕があります。次の戦略は何か、注目されます。

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