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【今週のリケジョ】人と助け合えるロボットを作る

ALSOK 田中麗子さん
 「人の代替ではなく、人と助け合えるロボットを作りたい」と話すのは綜合警備保障(ALSOK)の田中麗子さん(27)。警備ロボットの開発に携わり、ロボットの走行動作の制御などに取り組む。将来は「警備機器の制御装置の開発に挑戦したい」と目標を掲げ、プログラミングに励む日々を送る。

「仕組み」知るほど面白く


 小・中学校のころは正義感が強く、警察官になりたいと思っていました。数学や物理が得意だったこともあり、モノづくりとセキュリティーの両方に関われるALSOKに入社しました。東北大学工学部情報知能システム総合学科に進学後、同大学院工学研究科電子工学専攻を修了し、見せたい映像を見やすくするためのデジタル信号処理について研究していました。画像や音声などデジタル信号として入力したものを変換して、必要とされる形に出力する技術は、ロボットを開発する上でも役立っています。

 ロボットに携わるのは初めての経験でした。機械工学の基本知識は、本を読んだり、先輩や同僚に教わったりしながら習得しました。走行やセンサーが情報を取得できる仕組みについて理解が深まるにつれ、面白くなってきました。

 警備ロボットは、オフィスや商業施設、工場などお客さまの要望によって何をさせるかが異なります。液晶画面の案内表示や、施設内をどのルートで走行するかといった開発内容は多岐にわたります。省人化につながるよう、警備員と助け合えるようなロボットを作りたいです。

 新人研修で習った「誠実・正確・強力・迅速」の四つのモットーは自分自身や仕事に通じるものがあり、大切にしています。休日はバスケットボールで汗を流すほか、情報処理技術者の資格取得に向けて勉強に励んでいます。(文=高島里沙、写真=森住貴弘)

             
日刊工業新聞2019年5月27日

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