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【天津爆発事故】トヨタ、生産再開に遅れ。部品輸送などで代替ルート検討

天津市内の3工場は週明けも未定。「RAV4」を生産する長春西工場は明日にも再開
【天津爆発事故】トヨタ、生産再開に遅れ。部品輸送などで代替ルート検討

数々の突発的な問題を乗り越えてきた豊田章男社長

 中国・天津市の爆発事故によるトヨタ自動車の生産への影響が拡大している。トヨタは同市内にある車両3工場の操業停止期間を22日まで延長した。週明け24日以降の操業も未定だ。日本から輸出する部品の一部にも供給遅れが発生。長春市にある工場も20、21日の両日、生産を止めるなど影響が徐々に大きくなってきた。

 停止期間を延長するのは、中国・第一汽車集団との合弁会社である天津一汽トヨタ自動車の3工場。小型車「カローラ」などを生産している。爆発の影響で長期休暇明けの17日から稼働していない。

 現場付近の安全確認ができないため、稼働の見通しがたっていない。爆発現場付近に住む天津一汽トヨタ従業員の負傷者数については、当初50人以上としていたが67人と詳細が判明した。

 また、日本から輸出している部品の一部に通関遅れが発生し、四川一汽トヨタ自動車長春西工場も2日間止める。同工場はスポーツ多目的車(SUV)「RAV4」を生産している。年産能力は10万台。

 トヨタは天津港経由で輸入している完成車や部品の代替ルートを検討しており、長春西工場は22日に生産再開する予定。生産が遅れた分は月内に休日稼働し挽回する。

富士重は華北向け車両を上海港で荷揚げ


 富士重工業は中国・天津市での爆発事故の対応策として、従来天津港で荷揚げしていた華北地方向けの車両について、直近の8月20日出港予定の船便では上海港に振り替える方向で最終調整する。

 これまで華北向けを天津港、華東向けを上海港、華南向けを広州港で陸揚げし、各販売店に輸送していた。輸送は月2―3回で、1回当たりの輸送台数は3港合計で1000―1500台。1船が天津と上海の両方、もう1船が広州に寄港していた。今後は天津港の復旧状況を見て順次判断する。
日刊工業新聞2015年08月20日/08月21日 3&4面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
天津の事故は、日本の自動車メーカーにとって中国事業の戦略を軌道修正、転換するきっかけになるかもしれない。短期では迅速に事後対応しながら、長期の視点で考える「複眼力」。まさに経営トップ、マネジマントチームの総合力が試される。

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