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鴻海会長の総統選出馬がシャープの役員体制に与えた影響

次期社長候補が鴻海幹部に
鴻海会長の総統選出馬がシャープの役員体制に与えた影響

戴シャープ会長兼社長は留任

 シャープが役員体制を変更する。次期社長候補の一人と目されていた高山俊明常務執行役員が17日に退任。近く、親会社の台湾・鴻海精密工業グループの幹部職に就くとみられる。6月25日の定時株主総会を経て、鴻海の次期会長候補である劉揚偉氏らがシャープ取締役を退任し、新たに鴻海日本法人で社長経験のある林忠正氏らが取締役に就く。

 戴正呉会長兼社長は留任する。鴻海は郭台銘(テリー・ゴウ)会長の台湾総統選挙出馬を期に次期経営体制を模索中で、傘下のシャープの幹部人事に波及した格好。代表取締役を退いた高山氏は、シャープが持つ台湾の販売子会社の会長職については留任する。将来、シャープに復帰する可能性もある。

 シャープの電子部品事業を担当していた劉氏と、ディスプレー担当の王建二氏も6月25日付で取締役を退任。出身の鴻海に戻る。

 劉氏の後任となる陳偉銘氏は、鴻海の半導体事業の幹部を務めている。

 王氏の後任、林氏は1996年から05年にかけて鴻海の日本法人の社長を務めた。今は鴻海とシャープが共同出資している堺ディスプレイプロダクト(堺市堺区)の代表取締役を務める。

日刊工業新聞2019年5月20日(エレクトロニクス)

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