工作機械の「IoT」普及機にも広がる。オークマがCNC装置

生産現場外ともネットワーク化。工場全体のサプライチェーンを最適に

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IoT対応の核となるCNC「OSPスイート」
 オークマは工作機械のIoT(モノのインターネット)対応を本格化する。生産現場外にあるコンピューターともネットワークを構成できる新型のコンピューター数値制御(CNC)装置の普及型を投入し、工作機械自体のネット対応力を向上。合わせてIoT活用の生産現場の立ち上げを支援するサービスを広げる。IoTを生産革新に生かそうとするモノづくりの潮流に、新型CNCで応じる戦略を推進する。

 昨秋から高性能機で展開するCNC「OSPスイート」はIoT活用に対応する機能を持つ。OSPスイートから生産技術部門のパソコンにアクセスしてプログラムの確認ができるなど、従来CNCの外部で行っていた作業をCNC内に取り込める。

 今月から広範囲の機種で使える15インチ版の導入を開始。今後は研削盤を除く全機種でOSPスイートを搭載。また、前モデルを搭載した販売済み機種は、OSPスイートに置き換えるレトロフィットに応じる。

 同社は本社工場「DS1」で各工作機械をネットワーク化して、リアルタイムでの稼働状況の確認や加工情報の蓄積を可能にするなど、IoTを活用した工場の「代表的なモデルを作ってきた」(家城淳常務技術本部長)。このノウハウをもとに、OSPスイートを核にしたIoTで顧客の工場全体のサプライチェーンを最適化するビジネスモデルの構築を目指す。

賢くなるプレス機械、板金機械―鍛圧機械メーカーのIoT対応進む


日刊工業新聞2015年7月15日付


 鍛圧機械各社がIoT(モノのインターネット)を生かしたプレス成形や板金加工の支援を活発化している。アマダホールディングスは中長期で自・他社の板金機械や工作機械を通信で接続した工場全体の見える化を進める。三菱電機はクラウド活用の遠隔保守技術による故障診断を始める。コマツ産機(金沢市)は建設機械向けに開発した稼働管理システムを海外設置機に対応させた。中堅各社の動きも目立ち、IoTは次世代鍛圧産業の中核技術になりつつある。

 アマダHDは工場内外のネットワーク接続を進めたスマート板金工場「Vファクトリー」構想を今春立ち上げた。見積もり算出から切断、曲げ、溶接までの各工程を通じたデータ連係を拡充。タブレット端末に表示し急な依頼への柔軟性を高める仕組みを構築した。

 三菱電機は次世代生産システムと位置付ける「e―F@ctory」(イーファクトリー)の機能として、クラウド利用で遠隔からレーザー加工機監視や診断ができるリモートメンテナンスを来年度に始める。コマツ産機は 稼働管理システム「コムトラックス」をプレス機に標準で付けた。対応国を広げ、北米や中国、東南アジアの稼働、品番、保守など管理が遠隔でできる。

 日本電産シンポ(京都府長岡京市)はプレス機に内蔵したセンサーで情報を集め、金型不良を検知するシステムを開発。山田ドビー(愛知県一宮市)の「インダストリー4・0」対応向けに開発した新型プレス機は、温度変化や材料の品質の違いで必要になるマイクロメートル(マイクロは100万分の1)単位の調整を自ら行う。機械同士をネットワーク化でき、別拠点にある機械の状況把握や調整の有無の追跡も可能。

日刊工業新聞2015年08月19日 1面

COMMENT

村上毅
編集局ニュースセンター
デスク

工場にある膨大な生産情報。工場間、拠点間をつなぎ、全社で需要に応じて、どう柔軟な生産体制を築くか。その大本は生産設備のネット化がカギを握っている。工作機械の心臓であるCNCも「IoT」対応が当たり前になる時代が来るのだろう。

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