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ロボコンは地方創生の重要なソリューションになる!

11月に沖縄で海洋ロボットコンテストを開催。ハイテクでローカルからグローバルへ
ロボコンは地方創生の重要なソリューションになる!

昨年開催したプレ大会のAUV部門で最優秀賞となった沖縄職業能力開発大学校チームの機体

**エムスクエア・ラボ 加藤百合子代表
 地域の資源であるきれいな海を舞台に、産業振興のためのロボットコンテストを開催する、これは地方創生の一つのソリューションではないかと思います。

 日本は南北に長く、各地方の自然環境は多様性に富んでおり、南の亜熱帯地域の1次産業から北は亜寒帯気候に対応したものまで有しています。沖縄では海洋ロボット、北海道では大型農業用ロボット、東北ではリンゴなど果実の収穫ロボット、東海は冬季用葉菜定植ロボット等、各地環境に合わせた進化を遂げた手法があり、それらを機械を含むシステム化することで世界のあらゆる地域にソリューション提供できるようになると思うのです。

 地方の人手不足という危機をチャンスに、ハイテクでローカルからグローバルへ地方創生。夢ではない気がします。
(ニュースイッチ・ファシリテーター)

「海洋産業はアジアに近い沖縄の立地を生かせる」


 琉球大学産学官連携推進機構(沖縄県西原町)は、11月に初めて「沖縄海洋ロボットコンテスト」を本開催する。海洋ロボ分野の振興が目的で、海での競技は国際的にも珍しい。防水や波、水の濁りなど環境に適応する技術を競う。2014年に開いたプレ大会の成功を受けて例年開催に踏み切る。競技の難度を高め、産業利用できる技術レベルに近づける。

 コンテストは11月21、22の両日。部門はROV(遠隔操作型無人探査機)、AUV(自律型無人探査機)、フリースタイルの三つ。前回より潜行距離を大幅に長くし、海底のライン追跡や船舶からのつり下げ投入への加点など実践的技術を評価する方式を導入する。開発事例の情報交換による学術的な発展の場にするため、実機デモ以外に事前発表を行い、その内容も採点する。

 参加は全国の企業や教育機関から受け付ける。プレ大会には県内外9校12チームが参加。今回は10者以上のエントリーを見込む。次回以降は海外からの参加も視野に入れる。

 会場は「波の上うみそら公園」(那覇市)のダイビングエリアを予定。参加受け付けは9月7日まで。企業による実演も計画する。

 岡田正之実行委員長(沖縄職業能力開発大学校教授)は「海洋産業はアジアに近い沖縄の立地を生かせる。高校・大学など早い段階から海に目を向けてほしい」とした。
日刊工業新聞2015年08月13日 中小企業・地域経済2面
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
昨年のプレ大会は、かなりの荒天にもかかわらず、完走するチームがあったそうです。今年はまたレベルアップした競技に期待です。

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