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人手に頼るの限界…シチズン時計の生産自動化とは?

針付け工程など人材難でロボ導入
人手に頼るの限界…シチズン時計の生産自動化とは?

人手に頼っている工程の自動化を進める

 シチズン時計は普及価格帯腕時計の生産自動化を推進する。子会社のミヨタ佐久工場(長野県佐久市)に1億円強を投資し、水平多関節ロボットや双腕ロボットを導入。人手に頼っている針付け工程や裏ぶたを閉める工程の自動化を進める。2020年度内に最終工程にあたる梱包(こんぽう)工程までを自動化する考え。同様のラインを海外にも展開し、ゆくゆくは中価格帯時計にも対象分野を拡大する。

 腕時計の組み立てはムーブメント(駆動装置)への文字板乗せから針付け、ケースへの挿入、裏ぶた閉め、機能検査、バンド付け、梱包の順で行われる。佐久工場の腕時計の組み立て生産量は月10万個規模。目を酷使する細かい作業が多く、長時間労働には限界がある。人手確保も年々難しくなっており、生産自動化が課題だった。

 自動化できれば人手不足の問題を解消でき、同じ作業を続けることによる作業者の疲労や精度のバラつきを防げる。

 2次元コード「QRコード」をロボット1台ごとに取り付けることで多品種の腕時計にも対応。複数台のロボシステムで混流生産も可能だ。

 自動化やロボット化にかかる機械はすべて自社で開発した。針付けでは時針と分針、秒針で取り付け方が異なり、電池の挿入工程も横から押し込むように入れるなど、細かいノウハウが要求される。価格競争の激しい普及価格帯を先行して自動化し、徐々に中価格帯や高級機種にも広げる。

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