コンピューターの消費電力1000分の1以下に、実現する集積回路の仕組み
横浜国大が実証
横浜国立大学先端科学高等研究院の研究グループは、新型の超電導回路を使った集積回路を試作し、超低消費電力動作の実証試験に成功した。超電導回路「断熱的量子磁束パラメトロン(AQFP)」をゆっくりと動作させ、回路に流れる電流や電圧を小さくして回路の消費電力を極限まで減らす。これによりコンピューターの消費電力を従来の1000分の1以下に抑える。
AQFPは回路の動作周波数が下がるにつれて消費エネルギーも減る。次世代の集積回路として同グループが研究を進めてきた。機能試験ではAQFPを使った8ビット加算器を試作。動作周波数5ギガヘルツ(ギガは10億)で消費エネルギーを測定したところ1演算当たり1・5アトジュール(アトは100京分の1)での動作を確認した。絶対零度に近い極低温で作動する量子コンピューターの制御用回路への応用も期待できる。
研究グループ責任者の吉川信行教授は「人工知能(AI)や量子コンピューターなど大規模な情報処理が必要な分野への応用が期待できる」と意気込んだ。
成果は米応用物理学雑誌アプライドフィジックスレターズに掲載された。
AQFPは回路の動作周波数が下がるにつれて消費エネルギーも減る。次世代の集積回路として同グループが研究を進めてきた。機能試験ではAQFPを使った8ビット加算器を試作。動作周波数5ギガヘルツ(ギガは10億)で消費エネルギーを測定したところ1演算当たり1・5アトジュール(アトは100京分の1)での動作を確認した。絶対零度に近い極低温で作動する量子コンピューターの制御用回路への応用も期待できる。
研究グループ責任者の吉川信行教授は「人工知能(AI)や量子コンピューターなど大規模な情報処理が必要な分野への応用が期待できる」と意気込んだ。
成果は米応用物理学雑誌アプライドフィジックスレターズに掲載された。
日刊工業新聞2019年2月4日