IHIが事業再編。満岡社長「集中事業の『稼ぐ力』にこだわる」
原動機事業とプラント事業を再編
IHIは28日、原動機事業とプラント事業を再編すると正式発表した。再生可能エネルギーの普及や「脱炭素」の流れで主力の大型石炭火力発電機器に対する逆風が強まり、人手不足などで大型プラント工事のリスクも増大。資源・エネルギー・環境領域の事業遂行体制を見直し、収益基盤を一層強化。世界的に需要が高まる分散型電源やコージェネレーション(熱電併給)設備、人工知能(AI)を活用した遠隔監視などのライフサイクル事業に傾注する。
子会社の新潟原動機(東京都千代田区)を存続会社とし、IHIの航空機エンジン転用型ガスタービンの事業部門とディーゼルユナイテッド(DU、同千代田区)を統合する。統合新会社「IHI原動機」の従業員は約1600人、事業規模は約1000億円となる見通し。2019年7月に統合を完了する予定。グループ最大の子会社になる見込み。
再生エネ普及に伴い、出力変動に対応するための航空転用型ガスタービン需要は高まる。ガスタービンやガスエンジン、ディーゼルエンジンを中核とするコンバインドサイクル発電設備やコージェネの導入も進む見通し。事業再編によりグループの総合力を発揮し事業基盤を固める。
一方、プラント事業は4月に再編する。IHI本体が手がける液化天然ガス(LNG)タンクなどのプラント事業を子会社のIHIプラント建設(IPC、同江東区)に承継し、国内の石油化学プラント向け機器の設計、製造、据え付けなどを手がけるIHIプラントエンジニアリング(同江東区)を吸収合併する。統合新会社の従業員は約800人、事業規模は700億円規模の見込み。
IHIは現在進めている中期経営計画で新たなポートフォリオマネジメントを導入した。事業戦略を企画・立案しやすい単位に事業部門を再編し、ROIC(投下資本利益率)や営業利益率など達成すべき定量目標を設定。優先投資先を絞り込む一方で、将来性に懸念のある事業の再編を加速してきた。
18年度を「変える元年」と位置付け、企業体質改革にも力を注いでいる。満岡次郎社長は日刊工業新聞のインタビューで「選択と集中によりSBU(事業単位)の数は減った。次は経営資源を投下した『集中』事業の“稼ぐ力”にこだわりたい。筋肉質で柔軟な経営基盤の構築を一段と進める」と語っており、今回の事業再編はその象徴となる。
(文=編集委員・鈴木真央)
再生エネや脱炭素 需要狙い新会社
子会社の新潟原動機(東京都千代田区)を存続会社とし、IHIの航空機エンジン転用型ガスタービンの事業部門とディーゼルユナイテッド(DU、同千代田区)を統合する。統合新会社「IHI原動機」の従業員は約1600人、事業規模は約1000億円となる見通し。2019年7月に統合を完了する予定。グループ最大の子会社になる見込み。
再生エネ普及に伴い、出力変動に対応するための航空転用型ガスタービン需要は高まる。ガスタービンやガスエンジン、ディーゼルエンジンを中核とするコンバインドサイクル発電設備やコージェネの導入も進む見通し。事業再編によりグループの総合力を発揮し事業基盤を固める。
一方、プラント事業は4月に再編する。IHI本体が手がける液化天然ガス(LNG)タンクなどのプラント事業を子会社のIHIプラント建設(IPC、同江東区)に承継し、国内の石油化学プラント向け機器の設計、製造、据え付けなどを手がけるIHIプラントエンジニアリング(同江東区)を吸収合併する。統合新会社の従業員は約800人、事業規模は700億円規模の見込み。
IHIは現在進めている中期経営計画で新たなポートフォリオマネジメントを導入した。事業戦略を企画・立案しやすい単位に事業部門を再編し、ROIC(投下資本利益率)や営業利益率など達成すべき定量目標を設定。優先投資先を絞り込む一方で、将来性に懸念のある事業の再編を加速してきた。
18年度を「変える元年」と位置付け、企業体質改革にも力を注いでいる。満岡次郎社長は日刊工業新聞のインタビューで「選択と集中によりSBU(事業単位)の数は減った。次は経営資源を投下した『集中』事業の“稼ぐ力”にこだわりたい。筋肉質で柔軟な経営基盤の構築を一段と進める」と語っており、今回の事業再編はその象徴となる。
(文=編集委員・鈴木真央)
日刊工業新聞2019年1月29日掲載