売れない超大型機「A380」の買い手に浮上?

「劇場型」のスカイマーク再建。ANA支援で決定

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会見する(右から)長峯豊之ANAHD取締役執行役員、佐山展生インテグラル社長、井手隆司スカイマーク会長
 民事再生手続き中のスカイマークの再生計画を決める債権者集会が5日、東京地裁で開かれ、ANAホールディングスがスポンサーとなるスカイマーク案を可決した。スカイマークの支援を巡っては大口債権者の一つである米航空機リースのイントレピッド・アビエーションが米デルタ航空をスポンサーとする対抗案を提出。どちらの支持に回るか、動向が注目されていた大口債権者の欧エアバス、英ロールス・ロイス、米リース会社のCITなどが、スカイマーク案の支持に回った。

 ANAの長峯豊之取締役執行役員は大口債権者の支持を受けた要因について「再生計画案の蓋然(がいぜん)性や迅速性を理解してもらえた」と述べた。再生計画の可決には、投票で「議決権総額の過半数」と「投票者の過半数」の双方を得る必要があったが、投票の結果、スカイマーク案が議決権総額の60・25%、投票者数174人中135・5人を得て圧勝。数字上、イントレピッド以外はスカイマーク案に投票したとみられる。

 債権額に基づく議決権は、イントレピッドが約38%と最大だったため、大口債権者のうち1社でも支持を取り付けられれば、債権額ではイントレピッドが有利だった。一方、投票者数では、スカイマークの取引先などが多数を占めるため、スカイマーク案が可決される可能性が高かった。

エアバス機発注「将来の可能性を議論」


 エアバスやロールス・ロイスがスカイマーク案支持に回った背景には、最大の関心事である機材の引き受けをデルタ航空が明言しなかったことがある。このため、エアバスにとって、両案の条件に大きな違いはなかった。

 こうした中でANAは「具体的な約束はしていないが、長期的な機材更新の計画の中で将来の可能性は議論した」(長峯取締役)とし、機材の購買力などを生かして交渉を進め、最終的に大口債権者を引き込むことに成功した。

 スカイマークは今後、東京地裁の再生計画案の認可を経て、9月半ばにもANAの出資を受ける。その後、臨時株主総会で経営陣が交代し、新生スカイマークとしてスタートを切ることになる。
 

「スタート遅かった」日本支社長


 スカイマークの債権者集会の結果を受け、森本大米デルタ航空日本支社長は5日、都内で会見を開き、「議決権総額では算段があったが、スタートが遅かった」と述べた。デルタは7月15日にイントレピッドと組み、スカイマークのスポンサーとなることを表明。実質的な交渉期間は2週間程度で、さまざまな利害関係が交錯する大口債権者の心を捉えきれなかった。

 デルタは日本での提携先がなかったことから「(スカイマークの)独立を維持して提携できれば、スカイマークにとってプラスになる」(森本支社長)とし、ANAとの違いを強調し、大口債権者に働きかけていた。

 結果的にスカイマークがANAの傘下に入ることについて森本支社長は「スカイマークが独立性をもって再生するのであれば、提携相手にもなりえる」と今後に含みを残した。

日刊工業新聞 2015年08月06日 総合3面

COMMENT

2案のいずれかを投票で決める「劇場型」のスカイマーク再建は、結局はANA支援で決着しました。再建の詳細は書き尽くされた感もありますが、航空機産業の観点から言えば「結局スカイマークが発注したエアバス機はどうするのか?」という重たい課題が残ったままです。

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