ニュースイッチ

事務作業が6割減、保育士を救うシステムが登場

保育士向け業務自動化クラウドネットワークシステム「システメイト」
事務作業が6割減、保育士を救うシステムが登場

保育士が使いやすいように時間帯でアイコンの配置や大きさが変わる(イメージ)

 FourS(仙台市青葉区、佐々木拓哉社長、022・290・1323)は、保育士向け業務自動化クラウドネットワークシステム「システメイト」を開発した。保育士が担う書類実務をクラウド上で一元管理し、事務作業を最大で約6割削減する。4月に仙台市内の保育園で実証試験を開始し、8月から販売を始める予定。2024年度に25億円の売り上げを目指す。

 システメイトは保育士が手書きでメモをする代わりに、専用アプリケーション(応用ソフト)を入れたスマートフォンに情報を入力すると、iPadなどのターミナルタブレットにデータを自動転送する。

 情報を集約、管理できるほか、事務用管理ソフトウエアを通して報告書も自動作成され、入力作業が一度で完了する。既存のサービスと比べ、こうした情報を一元化するものは珍しいという。

 タブレットは保護者のスマホとも連動し、出欠連絡や保育園からの連絡などもできる。システムは保育園ごとにカスタマイズ可能。料金はソフトウエア使用料が月額1万5000―2万円程度を想定する。導入費は現在検討中だが、端末費用などを含め30万円程度を見込む。当初は仙台市や宮城県を中心に導入を進め、将来は全国展開を模索する。

 保育士は従来、保護者向けの連絡帳や保育日誌、送迎表などを作成する際に、手書きでメモした上でパソコンなどに入力。その後、国や自治体などに提出する報告書を作成するなど、複数の手間がかかっていた。「家に持ち帰って残業している保育士も多く、長時間労働や離職原因にもつながっている」(佐々木社長)という。
日刊工業新聞2019年1月17日

編集部のおすすめ