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“ビジネスプランの甲子園” 396校の頂点に輝いたのは京都府・木津高校

“ビジネスプランの甲子園” 396校の頂点に輝いたのは京都府・木津高校

グランプリを受賞した木津高校

 日本政策金融公庫(日本公庫)は13日、東京大学伊藤国際学術研究センター伊藤謝恩ホールで第6回「創造力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ」最終審査会を開催した。ファイナリストに選ばれた10組の中から、京都府立木津高等学校の「ソーシャルビジネス研究班」による「階段は健康寿命の架け橋~運動不足すぎる日本人への警鐘~」がグランプリに選ばれた。

 ソーシャルビジネス研究班が提案したのは、階段の上り下りを記録するスマートフォン用アプリを開発して企業に提供するプラン。オフィスビルの管理会社に販売し、テナント企業に配布。健康経営や企業間交流の促進、エレベーターの混雑解消に役立てる。緊急時に使用する非常用階段の設置場所の周知や、犯罪の発生しやすい死角の減少など、健康面以外での活用も期待できる。

 チームを代表してあいさつに立った近美夕子さんは、「グランプリを受賞することができたのは周りの大人の応援もあったからこそ。またこのような場に来ることができるように頑張りたい」と、感謝の思いと今後の意気込みを述べた。

 今大会のエントリー総数は396校(前年度比11校増)、4359件(同1112件増)でいずれも過去最多。日本公庫の田中一穂総裁は、「エントリー数は年々増加傾向。多方面から注目を浴びる大会になってきた」と、大会の知名度向上に手応えを示した。審査委員長を務めた武蔵大学の髙橋徳行副学長は、「純真無垢(むく)な考えが日本を変える。ささいな問題でも、まずは自分事として考えて取り組んでみることが重要だ」として、高校生が主体的に問題意識を身につけることの重要性を述べた。

 なお、準グランプリには、栃木県立鹿沼南高等学校「鹿南」の「~農業女子のための~人と環境と地元に優しいトマトタールに特化した手指洗浄剤の開発」が選ばれた。

 また、徳島県立阿南工業・阿南光高等学校「あこうバンブーミクス」の「バンブービジネス」、大阪市立鶴見商業高等学校の湧嶋茜さんの「訪問演奏(演技)紹介センター~優しさで広げよう歌と踊りの輪~」、洗足学園高等学校「ヒーロー研究所」の「人間の敵『G』が悪者からヒーローに?!」の3件には、審査員特別賞が贈られた。
最終審査会に参加したファイナリスト10校


日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
身近な課題からグローバルな問題まで、参加者の着眼点は多種多様。高校生ならではの視点に会場がどよめく一幕もありました。課題を探すだけなら簡単かもしれませんが、ビジネスとして成立させる方法を考えるのは大変なはず。起業の世界に恐れず足を踏み入れた彼らの今後の活躍が楽しみです。

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