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トヨタ会長「19年はクルマの方向性が決まる大事な年」

トヨタ会長「19年はクルマの方向性が決まる大事な年」

ガーディアンを搭載した自動運転実験車

 トヨタ自動車の内山田竹志会長は9日、中部経済4団体が名古屋市内で開いた賀詞交歓会の会場で記者団の取材に応じ、「2019年が一つのターニングポイントとなり、日本の経済や社会が飛躍をしたと後で振り返るとなるような『飛躍元年』と言える年にしたい」と述べた。

 トヨタは18年にモビリティー・カンパニーへの変革を宣言し、コネクテッドカー(つながる車)の本格展開やソフトバンクグループとの業務提携を進めた。

 内山田会長は「自動車産業は100年に一度の大変革期。去年から少しずついろいろな準備をしており、今年から実際の取り組みを動かしていく。自動車については将来の方向が決まってくる大事な年」と指摘した。

 さらに「すべてのクルマがつながり、センサーが付いているのでクルマが社会システムの一部になる。大きく社会を変えることができる」と語った。
内山田会長

日刊工業新聞2019年1月10日



進化した自動運転


 【米ラスベガス=政年佐貴恵】トヨタ自動車は7日(日本時間8日)、開発中の高度運転支援システム「ガーディアン」の詳細を発表した。センサーで車の周囲の環境を把握し、起こりうる事故を予測する。ドライバーが事故の可能性に気づかない場合などに、併行して作動している自動運転システムが走行コースを修正するなどして事故を回避する。2020年代前半の実用化を視野に入れる。

 8日(日本時間9日)に開幕する家電・IT見本市「CES」に合わせた会見で披露した。例えば物陰から急に飛び出してくる車をよけたり、側面からの接近を予測して加速で回避したりできる。

 人工知能(AI)開発子会社の米トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)のギル・プラット最高経営責任者(CEO)は「トヨタだけでなく全ての車に求められる」として、外部への技術提供の可能性も示唆した。ただ膨大なデータ収集に基づく競争領域でもあることから、具体的な検討は今後進めていく考えだ。他社の自動運転システムを監視し、事故を回避する用途も想定する。

 同時にガーディアンを搭載した自動運転実験車「TRI―P4」を公開。高級車ブランド「レクサス」の新型セダン「LS500h」をベースとしており、車体上部や側面にはカメラやレーダーなどのセンサーを配置した。プラット氏は「ガーディアンを体験したドライバーは、初めて立ったり、自転車に乗ったりした子どもと同じような喜びを味わえる」と、機能向上に自信を見せた。

 ガーディアンは、18年に発表したサービスとしての乗り物「MaaS(マース)」向け車両「e―パレット」に標準装備する方針。

日刊工業新聞2019年1月9日

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