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熊本錦工場の存廃判断を先送り。ルネサス「想定以上に半導体需要が堅調」

16年8月をめどに状況を確認
熊本錦工場の存廃判断を先送り。ルネサス「想定以上に半導体需要が堅調」

下は熊本錦工場

 ルネサスエレクトロニクスは、2015年8月めどに存続の是非を判断するとしていた熊本錦工場(熊本県錦町)について、判断時期を1年延期することを決めた。「想定以上に需要が堅調」(柴田英俊取締役執行役員常務兼最高財務責任者)なため、16年8月めどに状況を確認する。後工程(組み立て・検査)を担う同工場を巡っては、13年8月に公表した生産構造改革で、「2年以内に譲渡または集約を検討」する方針を示していた。

4―9月期は減収増益見通し


 ルネサスエレクトロニクスの2015年4―9月期連結業績は、前年同期比で減収営業増益となる見通し。特に汎用向け半導体事業で非注力製品の絞り込みを進めており、引き続いて売上高は減少傾向だが、収益性は改善する。構造改革による固定費削減効果も出る。

 同7―9月期は自動車向け半導体は前年同期比で1ケタ%前半の増収を見込む。汎用向けはオフィス機器・情報通信分野で増収も、全体としては減収と見ている。同4―6月期は減収営業増益だった。営業利益増は、為替の円安や在庫評価の影響など一時的な要因が追い風となったが、柴田英利取締役執行役員常務兼最高財務責任者(CFO)は「製品ミックス改善効果もじわじわ出てくる」と評価した。
日刊工業新聞2015年08月03日 電機・電子部品・情報・通信面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
特にルネサスなどの事業ポートフォリオにおいて、後工程工場は競争力の源泉になりつつある。

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