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がん発症リスク、血中の微量金属から判別

レナテックが来春開始
がん発症リスク、血中の微量金属から判別

写真はイメージ

 レナテック(神奈川県伊勢原市、加藤桂社長、0463・92・6114)は、血液中の微量金属濃度を測定してがん発症リスクを判別する検査を、2019年4月から直営のクリニックを中心に、健診センターなどで開始する。1度の採血で複数種類のがんのリスク判別が可能。胃がんや大腸がん、早期発見が難しい膵臓(すいぞう)がんなどに加え、乳がんや子宮体がんといった女性特有のがんや、男性では前立腺がんについて判定できる。判定結果から、がんの早期発見につなげることが期待される。

 がん発症リスク判別検査「メタロ・バランス」(MB)は、6cc程度の血液から亜鉛など17種類の元素の濃度を測定し、その変化によって10種類のがんのリスクを4段階で評価する。これまでの研究で、男性の大腸がんの場合、最もリスクが高いと判定された14人のうち1人にがんが見つかり、他のがんでも従来より高い精度でがんのリスク判定が可能だった。

 検査は神奈川県伊勢原、横浜、大阪、名古屋、千葉、福岡の6市全6カ所のMBクリニックの他、連携するクリニックで開始する予定だ。MB会員であれば、年1回の検査を9900円で受けられる。細胞を採取する検査や内視鏡を使う検査は体への負担が多く、また健康診断で実施すると検査費用が高額になる。精密検査の前段階に実施する検査として活用が期待される。

 MBの技術は、千葉県がんセンターと神奈川県立がんセンターのがん患者と健常者の検体を解析し、共同開発した。

 
日刊工業新聞2018年12月17日

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