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井関農機が無人運転トラクターをモニター販売へ

作業効率50%アップ
 井関農機は12日、有人監視下で無人運転ができるロボットトラクター「TJV655R=写真」を開発、月内にモニター販売を始めると発表した。大規模化とともに、従事者減少で熟練運転技術を持つ人材確保が困難になりつつある国内農業の現状を踏まえた。ロボトラクターは農林水産省が策定した「農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドライン」に準拠、ロボトラクター1台での作業や、有人トラクターとの同時作業ができる。同一面積換算で作業効率を50%向上できる。価格は1307万8800円(消費税込み)。年10台の販売を見込む。

 ロボトラクターは操作モニターと監視モニター兼用の7インチタブレットとリモコンを搭載。基本設定はタブレット内のアプリケーション(応用ソフト)で簡単にできる。農場に入り、走行させつつ外周の4点を記憶させることで境界線を設定。外周2周分を残した範囲で往復耕と1行程の周り耕による自動運転が可能だ。

 作業中は3色の積層灯と警音器で作動状態を確認、異常や衛星情報のロストを検出した場合は灯火と音で異常を知らせ、自動作業を停止する。人や物の接近をセンサーで検出した場合も同様に停止する。監視者は機体の4カ所に装着されたカメラの画像をタブレットで見ることができ、目視と合わせてトラクター周囲の状況を確認できる。

 衛星測位システム(GNSS)を活用した自動操舵(そうだ)技術などがポイントになる。井関は自動操舵農機で直進アシストシステム搭載田植え機を2017年12月、トラクター自動操舵仕様商品を18年6月に発売している。
日刊工業新聞2018年12月13日

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