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介護人材の確保へ、SOMPOホールディングスが動く

事業規模2位が介護事業の賃上げを決断、業界内で待遇改善は進むのか
 SOMPOホールディングス(HD)で介護事業を統括する奥村幹夫取締役は6日までに日刊工業新聞の取材に応じ、2019年度に介護事業で賃上げを実施する方針を明らかにした。上げ幅は早期に詰める。従業員の待遇を改善し、人材確保を優位に進める狙い。業界大手が賃上げを決めたことで同業他社にも影響がありそうだ。

 奥村取締役は「賃金を中心に待遇改善を進める中で、当然19年度の事業計画にも(賃上げを)盛り込んでいくことになる」と述べた。ただ一律の賃上げではなく、「各拠点の賃金を地域で一番にする」(奥村取締役)との戦略のもと、特定地域において同業と比べて賃金水準が劣る事業所で給与を引き上げる計画だ。基本給を底上げするベースアップ(ベア)ではなく、手当の上乗せを検討する。

 18年度は介護現場の生産性向上などで浮いた約20億円を原資に賃上げを実施し、従業員1人当たり年間10万円程度の引き上げとなる見通し。19年度の上げ幅も原資の確保状況を見ながら近く決める。

 SOMPOHDは15年、ワタミ子会社「ワタミの介護」を買収し、介護事業に参入。傘下のSOMPOケアが全国で有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を運営する。事業規模はニチイ学館に次いで2位で、約2万3700人の従業員を抱える。
奥村幹夫取締役
日刊工業新聞2018年12月7日

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