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【今週のリケジョ】“電気”裏から支える

九州電力 谷智世さん
 発電所で作った電気が利用者に届くまでには送電線や変電所を経由する。九州電力の谷智世さん(30)は、そんな設備システムの管理や改修計画に携わる。再生可能エネルギーの発電所が増え、新たな電力を受け入れるためのシステム改造も仕事。「大規模工事で一から設計すること」が当面の目標だ。

発電・変電の現場知り理解


 小学校の時から理数系の科目が好きで理系に進むことには迷いませんでした。高校では物理の中でも電気回路の理論的なところに魅力を感じ、佐賀大学理工学部に入り、電気電子工学科を選びました。授業で揚水式の天山発電所(佐賀県唐津市)を見学し、電気をためる大変さを知りました。そして電力需給に携わりたいと思うようになり当社を受けました。

 入社して数年間は人材育成として現場に入ります。私は宮崎や北九州で発電所と変電所に毎日行きました。今の仕事でのシステムの計画は設備を知っていないとできません。遮断器を遠隔操作するにも、構造や何秒で動くのかなどの知識は現場で身に付きました。

 宮崎時代の上司は、九州全体の電力需給を見る中央給電指令所での勤務経験があり、話を聞くうちに私も行きたいと思うようになりました。将来は自分で作ったシステムを自分で運用するのが夢です。北九州では女性が多く、産休や育休を取った社員もいました。

 電気に関する基礎理論や論文を書く上で学んだことは今も生きています。会社では関係箇所のニーズを聞きながらシステムを作っていくので、コミュニケーションが非常に大切です。そのため積極的に声をかけます。

 一つひとつの業務終了ごとに、上司に押印をもらえば「よし終わった」とやりがいを感じます。休日は友人とご飯を食べたり、野球観戦に行ったりしています。

 

(文・写真=西部・関広樹)
日刊工業新聞2018年11月19日

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