筋肉×かき氷にヒントあり、地方創生の必勝パターンとは?
地方創生イノベーターカンファレンス「INSPIRE 2018」開催
国内最大級の地方創生イノベータープラットフォーム「INSPIRE(インスパイア)」は、年に1度のカンファレンス「インスパイア2018」をヒカリエホール(東京都渋谷区)で開催した。同プラットフォームは、全国各地の地方創生のアイデアや実例の共有を行い、集合知づくり(知識の体系化)を目指す。3回目となるカンファレンスでは、イノベーターたちが“突き抜けた”アイデアを披露した。
佐賀県伊万里市で活動する男性グループ「PEAK SMILE(ピークスマイル)」は、会社員やレスキュー隊員など仕事を持ちながら、休日などに筋肉ムキムキの体でガリガリと氷を削ってかき氷を配る“ムキムキガリガリ”を行う。周りを笑顔にし、地域を盛り上げている。渋谷でも「マッスル!マッスル!」のかけ声に合わせてかき氷を作り、会場を沸かせた。「筋肉には使う筋肉などのほかに『笑顔を生む筋肉』がある」と、大久保徳之代表は力説する。
まちづくりや地域の課題解決は堅く考えられがちだが、INSPIRE代表理事の谷中修吾さん(ビジネス・ブレークスルー大学教授)は、「突き抜けたアイデアからスタートし、後で地域の課題にひも付ける方がいい」と話す。ポイントは、①安全装置を解除して妄想する、②意外性のある組み合わせ、③人を魅了するダジャレ。ムキムキガリガリのように三つが揃うと、周りを巻き込む力が生まれる。
カメラ女子サークル「カメラガールズ」は、企業や自治体とカメラ女子を結びつけることで、新たな角度で魅力を再発見している。香川県との企画では、約50人のカメラ女子が香川県へ行き、それぞれの感性で魅力的なシーンを撮影。SNSで発信し、写真2万枚を県へ寄贈した。清水建設とは、八ッ場ダム(群馬県長野原町)の建設現場を撮影した。
「竹あかり」を手がける池田親生さんと三城賢士さんは、「竹あかりを日本の文化にしたい」と話す。竹あかりは、竹に穴を開けて光をともし、幻想的な空間を創り出すもの。二人は完成品の提供だけでなく、現地の人と一緒に作り、誰が何のために作ったかという“物語”を重視している。津波被害のあったフィリピンの慰霊祭でも、地元の人と竹あかりを制作した。最近では、竹あかり制作をリーダーシップなどを育成する社員研修に取り入れる企業も出てきた。「僕たちは作り続けていたら、周りが新しい価値を見つけてくれた」(池田さん)という。
新潟県の人気マラソン大会「南魚沼グルメマラソン」などをプロデュースした医師でランナーの福田六花さんは、「プロの事業者にはならないと決めている」と話す。福田さんは医師の視点で「走る人が増えれば医療費を減らせる」と気づき、ランナーの視点で、地域の魅力を感じて誰もが走りたくなるレースを考えた。事業者になれば、自分の利益を考えなければならない。
いずれも好きな事を追求した結果が、地域活性化につながった。谷中さんは、「社会の役に立ちながら、お金を生んで継続するには、9種類の必勝パターンがある」と指摘する。最も簡単なのは副業でまちづくりをする方法。補助金で事業を運営するのはハードルが高い。「2019年には9種類を全面公開し、集合知をシェアしたい」(同)と話す。全国で地域活性化が広がることが期待される。
“ムキムキガリガリ”
佐賀県伊万里市で活動する男性グループ「PEAK SMILE(ピークスマイル)」は、会社員やレスキュー隊員など仕事を持ちながら、休日などに筋肉ムキムキの体でガリガリと氷を削ってかき氷を配る“ムキムキガリガリ”を行う。周りを笑顔にし、地域を盛り上げている。渋谷でも「マッスル!マッスル!」のかけ声に合わせてかき氷を作り、会場を沸かせた。「筋肉には使う筋肉などのほかに『笑顔を生む筋肉』がある」と、大久保徳之代表は力説する。
まちづくりや地域の課題解決は堅く考えられがちだが、INSPIRE代表理事の谷中修吾さん(ビジネス・ブレークスルー大学教授)は、「突き抜けたアイデアからスタートし、後で地域の課題にひも付ける方がいい」と話す。ポイントは、①安全装置を解除して妄想する、②意外性のある組み合わせ、③人を魅了するダジャレ。ムキムキガリガリのように三つが揃うと、周りを巻き込む力が生まれる。
カメラ女子サークル「カメラガールズ」は、企業や自治体とカメラ女子を結びつけることで、新たな角度で魅力を再発見している。香川県との企画では、約50人のカメラ女子が香川県へ行き、それぞれの感性で魅力的なシーンを撮影。SNSで発信し、写真2万枚を県へ寄贈した。清水建設とは、八ッ場ダム(群馬県長野原町)の建設現場を撮影した。
周りが価値を見つける
「竹あかり」を手がける池田親生さんと三城賢士さんは、「竹あかりを日本の文化にしたい」と話す。竹あかりは、竹に穴を開けて光をともし、幻想的な空間を創り出すもの。二人は完成品の提供だけでなく、現地の人と一緒に作り、誰が何のために作ったかという“物語”を重視している。津波被害のあったフィリピンの慰霊祭でも、地元の人と竹あかりを制作した。最近では、竹あかり制作をリーダーシップなどを育成する社員研修に取り入れる企業も出てきた。「僕たちは作り続けていたら、周りが新しい価値を見つけてくれた」(池田さん)という。
新潟県の人気マラソン大会「南魚沼グルメマラソン」などをプロデュースした医師でランナーの福田六花さんは、「プロの事業者にはならないと決めている」と話す。福田さんは医師の視点で「走る人が増えれば医療費を減らせる」と気づき、ランナーの視点で、地域の魅力を感じて誰もが走りたくなるレースを考えた。事業者になれば、自分の利益を考えなければならない。
いずれも好きな事を追求した結果が、地域活性化につながった。谷中さんは、「社会の役に立ちながら、お金を生んで継続するには、9種類の必勝パターンがある」と指摘する。最も簡単なのは副業でまちづくりをする方法。補助金で事業を運営するのはハードルが高い。「2019年には9種類を全面公開し、集合知をシェアしたい」(同)と話す。全国で地域活性化が広がることが期待される。
日刊工業新聞 2018年11月6日掲載内容から加筆