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例えば「ピーマンを食べると頭痛が減る」、食と健康の関係ビッグデータで探る

 コーヒーは身体にいい・悪い、糖質ダイエットは効く・効かない、シニアには魚がいい・肉がいい…。

 食と健康に関する真逆の説が広く流布する折、人工知能(AI)やビッグデータ(大量データ)を有効活用し、健康増進への“正解”を導きだそうというヘルスケア・ベンチャーが登場した。ドットテック(東京都渋谷区、栢(かや)孝文社長)。

 栢社長はオンラインマージャンで知られるシグナルトーク(東京都大田区)の創業社長でもあり「食事と健康の関係を明らかにしノーベル医学賞を取りたい」と意気込む。

 ドットテックは2月にシグナルトークのグループ企業として発足し、現在、2019年のサービス開始に向け準備を進めている。個人会員を募るBツーC(対消費者)型ネットビジネスとしてスタートする計画で、インターネット上でさまざまなデータを集めて解析し、会員個々人の健康に資する食事のアドバイスなどを手がける。

 新サービスの土台となるのが、シグナルトークで取り組んでいる健康関連事業。シグナルトークでは、マージャンや各種ゲーム関連のほか、日常生活の健康リスクをスコア化したアプリや、脳の状態をチェックし認知症防止などに役立てるサービス「脳測」を提供している。

 それらの中から、例えば「ピーマンを食べると頭痛が減る」との知見を得て、兵庫医科大学が日本頭痛学会で発表している。また、ネット上で正しいデータだけを収集・解析する手法なども確立している。

 栢社長は「新サービスを通して、食事や運動で、花粉症、うつ病なども改善するとのエビデンスを集め、ソリューションとして提供できる未来を実現したい」と語っている。
日刊工業新聞2018年11月1日

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