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コンビニ各社は「デジタル」でどこまで差別化できる?

ローソンはデジタルコンシェルジュ提案
コンビニ各社は「デジタル」でどこまで差別化できる?

ローソンの「デジタルコンシェルジュ」では、その人の健康状態に合った指導などが提供される

 コンビニエンスストアが店舗の競争力強化を加速している。ローソンは店舗に設置したモニター画面を通じ、専門家が来店客に健康指導する「デジタルコンシェルジュ」などのサービスを「CEATECジャパン2018」で披露。“ファミマミライ”を掲げるファミリーマートは11月から「LINEペイ」「アリペイ」などのバーコード決済に対応。競合が激しさを増す中、情報通信技術(ICT)などの切り口で差別化を図る。

 ローソンのデジタルコンシェルジュは、店舗内に設置した画面の前に来店客が座ると、画面前のバイタルセンシングと呼ぶ装置が心拍数や血圧、心音、肺音などを測定。それを基に、遠隔地にいる医師など専門家がアドバイスする。店内で販売している薬やサプリメントを提案することも可能だ。

 必要な栄養素を自動で計算して提供するヘルスサーバーを使ったサービスを提供。生体センサーに両手の親指を約20秒間当て、脈拍のほか精神的な負荷、身体的負荷を測る。これを基に状態に合ったビタミンや葉酸が調合され、出てくる。

 ファミリーマートは17年に伊藤忠商事、LINEの3社で、LINEのクラウドAIプラットフォーム「Clova」などのサービス活用で業務提携。同年にグーグルとの協業も始め、IoT(モノのインターネット)を利用した実験店舗設置なども進めてきた。

 11月―19年1月にかけてはモバイル端末の画面上に表示させたバーコードで決済するサービスを順次、導入。

 ラインペイのほか、NTTドコモの「d払い」、「PayPay(ペイペイ)」、「楽天ペイ」が利用できる。11月から一部店舗でスタートし、12月4日に全国のファミリーマートで利用できるようにする。

 一部店舗で先行導入していた「アリペイ」と「ウィチャットペイ」は、19年1月下旬以降、全店で利用できるようにする。対応するバーコード決済サービスは6種類で、コンビニでは最大規模になるという。

 バーコード決済サービスはスマホなどで簡単に商品代金を払うことができ、利用者拡大が見込まれている。政府も25年までにキャッシュレス決済比率の割合を40%まで高めようとしている。
(文・丸山美和)
日刊工業新聞2018年10月25日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
ローソンは今年8月、東京・千駄木に栄養士の助言が受けられる窓口などを整えた店舗を開設し、利用者から好評を得ているそうです。栄養士などの専門家を全店に配置するのは難しい中で、ICTを活用した『デジタルコンシェルジュ』という発想が生まれているようです。

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