介護サービス業者が町工場と挑んだ車いす開発
2019年夏に製品化へ
訪問介護や福祉機器のレンタルなど、介護関連サービスを提供するカラーズ(東京都大田区、田尻久美子社長、03・5767・5215)が、道路の両端に傾斜がある水勾配付近もまっすぐ進める車いすを開発した。地元大田区の町工場と連携し、モノづくりに挑んだ。
前輪のキャスター部分を固定したことで、傾斜に応じて方向が変わってしまうことを防いだ。方向転換は前輪を持ち上げて行う。介護者が両腕で押す程度の軽い力で持ち上がる。低い段差を越える際も、介護者は両足を地面につけた状態を保てる。従来、両腕と片足の力で持ち上げており、介護者が転倒する危険があった。
田尻社長は「介護者と被介護者の双方が外出したいと思えるような車いすを目指した。電動車いすはバッテリーの管理や操作技術が必要で、お年寄りには使いづらい。これまでの車いすからスムーズに切り替えられるようにした」と話す。
設計、製造は関鉄工所と善大工業に依頼。押す力が進む方向以外に逃げにくい角度の計算やアルミニウムの削り出しなど、技術をふんだんに盛り込んだ。
関鉄工所の関英一社長は「一番実現しやすいアイデアを形にした。田尻社長は介護現場で必要な道具が分かっている。まだ形にしたいものはたくさんある」と笑顔を見せる。
同車いすは2019年夏頃に製品化の予定。
(文=門脇花梨)
前輪のキャスター部分を固定したことで、傾斜に応じて方向が変わってしまうことを防いだ。方向転換は前輪を持ち上げて行う。介護者が両腕で押す程度の軽い力で持ち上がる。低い段差を越える際も、介護者は両足を地面につけた状態を保てる。従来、両腕と片足の力で持ち上げており、介護者が転倒する危険があった。
田尻社長は「介護者と被介護者の双方が外出したいと思えるような車いすを目指した。電動車いすはバッテリーの管理や操作技術が必要で、お年寄りには使いづらい。これまでの車いすからスムーズに切り替えられるようにした」と話す。
設計、製造は関鉄工所と善大工業に依頼。押す力が進む方向以外に逃げにくい角度の計算やアルミニウムの削り出しなど、技術をふんだんに盛り込んだ。
関鉄工所の関英一社長は「一番実現しやすいアイデアを形にした。田尻社長は介護現場で必要な道具が分かっている。まだ形にしたいものはたくさんある」と笑顔を見せる。
同車いすは2019年夏頃に製品化の予定。
(文=門脇花梨)
日刊工業新聞2018年9月24日