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中国の若手女性経営者はチャレンジ精神が旺盛―チェーン店戦略・複合店経営

業態開発へ熱いまなざし
 2014年の夏に日本への研修で来日した上海交通大学、海外教育学院生総裁コース2回目の研修が3月4日から10日まで、計7日開催された。

 テーマは「チェーン店戦略・複合店経営」である。前回同様に研修団への講演と企業訪問・見学への依頼を受けた。参加者の業種は生活雑貨用品や婦人・子供衣料品等の流通業とショッピングセンター・デベロッパーの不動産業の経営者だ。
 研修団は男性19人、女性12人で女性が4割で年齢構成も30―40代が中心だ。

 1回目のセミナーは「次世代型チェーンストアの経営戦略」で筆者が講演をした。2回目は月刊「商業界」の編集長である笹井清範氏による「日本の小売業の変遷とこれからの業態開発」の講演を開いた。

 企業視察の1番目は東京・合羽橋で100年以上料理道具を営んでいる「釜浅商店」。職人向けの専門店から、一般消費者へと対象顧客をかえ、さまざまな大型店に出店している企業。経営者からは会社の方針である、良い道具には、良い理由があります”良理道具“には料理をおいしくするかたちがありますとのコンセプトの解説を頂いた。店内視察では包丁の正しい選び方と使い方を担当者から説明を頂き、参加者は熱心に聞き入っていた。

 2番目は生活提案型ライフスタイルショップとして日本全国に展開、業績を伸ばしている「アクタス」の業態開発店舗で東京・天王洲アイルにある「スローハウス」。インテリアショップからライフスタイルショップに業態開発した企業で「ひとの力を信じ真に豊かな人生を創造する」というミッションを社員全員の合言葉にしている。

 担当者から業態開発の手順と解説。質問にも丁寧な回答を頂き参加者は満足していた。今回の参加者は若手の女性経営者が多く、中国での業態開発の参考にしたいと意欲的だった。同時通訳者も20代の女性であり、企業訪問した会社の経営者からは若いのに素晴らしいとお褒めの言葉を頂いた。

 中国の若手女性経営者が海外での研修を積極的に進めている。わが国でも女性の力を引き出すために企業の対応が急がれており、中国の若手女性研修プログラムは参考になる。
(文=日本経営士会・上野延城)
日刊工業新聞2015年07月23日 モノづくり基盤・成長企業面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
上海に若手女性経営者の知人がいます。彼女たちはものすごくパワフル。新しい事業を積極的に展開していて、非常に尊敬しています。日本でも若手女性経営者が増えていますが、交流会などあれば刺激があって面白いかも。

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