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雑草を踏んで、成長を抑制する小型ロボ

フィールド開発が2019年発売
雑草を踏んで、成長を抑制する小型ロボ

地面の鉄製ケーブルをたどり本体が移動し、草の成長を抑制する

 フィールド開発(宇都宮市、山口直信社長、028・902・8670)は、雑草を踏みつけて成長を抑制するロボット「グラプレス」(仮称)の試作機を完成した。搭載する小型太陽電池で発電して動く。2019年春にも発売する。価格は70万円(消費税抜き)。月5万円からリースも用意する。初年度20台の提供を目指す。

 グラプレスは縦125センチ×横80センチメートル、重さは約60キログラム。先端の金属センサーで敷地内に張った鉄製ケーブルを認識して移動する。主に太陽光発電施設での使用を想定する。

 雑草は刺激を与えるとエチレンを生み、エチレンが成長を抑えるとされる。この特性を生かし、本体や先端の鉄板で雑草を踏みつけて成長を抑える。

 さらに、グラプレスの先端の地上高10センチメートルの位置にナイロン製の草刈り刃を二つ装備し、雑草を刈りそろえる。山口社長によると「雑草を一定の長さにし、整備後の見た目をきれいにする」という。

 グラプレスの動力は135ワットの小型太陽電池。毎時40アンぺアの蓄電池を二つ積み、無給電で走行する。太陽電池の給電なしでも1日1時間の走行で約1週間は動く。速度は分速5メートルまでを調整でき、タイマー機能で任意の時間に動かせる。

 本体の先端と後尾に超音波センサーを搭載して安全を確保した。進行方向80センチメートル以内の障害物を検知し、動作を停止する。

 ぬかるみなどでは走行が難しいため、雨滴センサーで雨天時には稼働しないようにする方針。ナイロン製の草刈り刃はオプションで最大四つまで追加できる。ロボットの進路になるケーブルは1メートルあたり300円(消費税抜き)で同社が敷設する。
(2018年9月5日)
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
雑草から出てくるエチレンを成長抑制に利用しようというアイデアがおもしろいです。主な利用先と想定している太陽光発電施設では、雑草が伸びると発電量が落ちるため、草刈りは重要な仕事だそうです。

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