自動運転の“進化版農機”は普及するか
人手不足や農家の負担軽減へ
自動運転技術を搭載した農業機械の「進化版」が相次いで登場している。高齢化や後継者不足に伴う農家戸数の減少などで各農家当たりの農業経営(営農)管理の規模は拡大。人手不足は将来にかけて日本の農業に横たわる課題となる。ただ多くの農家にとっては自動農機自体が“未知の領域”。業界を挙げて普及拡大に取り組む必要もある。
ヤンマーホールディングス傘下で農機を扱うヤンマーアグリ(大阪市北区)が10月発売するのは「スマートパイロット」シリーズ。1人でトラクター2台の協調作業が可能で、同社の既存トラクター7機種から「アップグレードできる」(農機推進部の鈴木哲也部長)のも売り物だ。
クボタは「アグリロボコンバイン」を12月発売する。収穫範囲の外枠を手動で刈り取るだけで残りの範囲を効率よく自動で刈り取る。南龍一クボタ執行役員作業機事業部長は「ムダのない最適収穫が可能」と話す。
井関農機も衛星測位システム(GNSS)を活用し、有人監視下で無人の自動運転作業ができるロボットトラクターを2018年中に発売する計画だ。
富士経済によると、自動運転農機や生産・販売システムなどを含む「スマート農業」関連市場は、25年に17年比約2・7倍の123億円に成長すると見込まれている。
自動化精度の向上効果が期待される準天頂衛星「みちびき」が18年度から運用開始予定など、自動運転農機には前向きな話題は多い。クボタの南執行役員も「収穫期はとにかく忙しい。農家の方の負担を軽減できるだけでも需要は大きい」と見通す。ヤンマーアグリ開発統括部の日高茂実部長も自動運転農機は「主流になる」とみる。
トラクターに続き、コンバインでも自動機種を投入するクボタに対し、ヤンマーも自動コンバインについて「検討中」(日高部長)と、開発面で各社はしのぎを削る。
ただ、自動運転農機の普及に向けては業界挙げての機運醸成も欠かせない。使う農家側も手探りな点が多いからだ。自動運転トラクターの開発に携わったクボタ農機技術本部トラクタ技術第一部の新海敦第一研究チーム長は「(業界として自動農機の)開発を続ける気概が必要。これで顧客の認識、社会の受け入れ態勢が変わってくる」と力を込める。
ヤンマーホールディングス傘下で農機を扱うヤンマーアグリ(大阪市北区)が10月発売するのは「スマートパイロット」シリーズ。1人でトラクター2台の協調作業が可能で、同社の既存トラクター7機種から「アップグレードできる」(農機推進部の鈴木哲也部長)のも売り物だ。
クボタは「アグリロボコンバイン」を12月発売する。収穫範囲の外枠を手動で刈り取るだけで残りの範囲を効率よく自動で刈り取る。南龍一クボタ執行役員作業機事業部長は「ムダのない最適収穫が可能」と話す。
井関農機も衛星測位システム(GNSS)を活用し、有人監視下で無人の自動運転作業ができるロボットトラクターを2018年中に発売する計画だ。
富士経済によると、自動運転農機や生産・販売システムなどを含む「スマート農業」関連市場は、25年に17年比約2・7倍の123億円に成長すると見込まれている。
自動化精度の向上効果が期待される準天頂衛星「みちびき」が18年度から運用開始予定など、自動運転農機には前向きな話題は多い。クボタの南執行役員も「収穫期はとにかく忙しい。農家の方の負担を軽減できるだけでも需要は大きい」と見通す。ヤンマーアグリ開発統括部の日高茂実部長も自動運転農機は「主流になる」とみる。
トラクターに続き、コンバインでも自動機種を投入するクボタに対し、ヤンマーも自動コンバインについて「検討中」(日高部長)と、開発面で各社はしのぎを削る。
ただ、自動運転農機の普及に向けては業界挙げての機運醸成も欠かせない。使う農家側も手探りな点が多いからだ。自動運転トラクターの開発に携わったクボタ農機技術本部トラクタ技術第一部の新海敦第一研究チーム長は「(業界として自動農機の)開発を続ける気概が必要。これで顧客の認識、社会の受け入れ態勢が変わってくる」と力を込める。
日刊工業新聞2018年8月9日