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日産が九州で調達拡大!円安で国産部品の競争力高まる

来春から北米向け「ローグ(日本名エクストレイル)」を年10万台規模で生産
 日産自動車は九州工場(福岡県苅田町)で、地元九州からの部品調達を拡大する。2016年にも生産を始める新型車について、工場建屋や敷地内でサプライヤーに生産してもらう部品点数を従来と比べ4割増やす。物流費を削減することで生産コストを低減する。円安で国産部品のコスト競争力が上がっていることも背景にある。

 九州工場では、部品の物流費や在庫を減らすために、部品の生産を完成車の生産ラインに近づける「近接化」を進めており、新型車の生産開始を機にさらに踏み込む。

 工場建屋内と、工場敷地内と、工場の10キロメートル圏内にあるサプライヤーパークから調達する部品点数を、新型車から計43点とする。現在生産している車種では同様の部品点数が30点程度。工場のスペースやサプライヤーパークを活用し、近隣から調達できる環境整備を加速する。

 近接化により、新型車の九州圏内からの部品調達が増える。円安により国産部品のコスト競争力が増していることも近接化を推進する背景にある。地元の九州に加え韓国、中国からの調達を含めた調達率は95%となる。現在生産している車種は同調達率が90%程度以下。

 日産の九州工場は、低コストで部品を生産できる韓国や中国と近く、地理的な優位性を生かして、地元九州と韓中からの調達を増やしてきた。日産のグローバルの生産拠点の中でも高いコスト競争力を実現しており、来春から北米向け「ローグ(日本名エクストレイル)」を年10万台規模で生産することが決まっている。
日刊工業新聞2015年07月15日 自動車面
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
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