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沖縄のスタートアップから非粉末状サプリメント

沖縄科技大のスタートアップ支援先が決定 
沖縄のスタートアップから非粉末状サプリメント

開発する固形サプリメント「シーズ」=左(ショウメン・ジャナ撮影、沖縄科技大提供)

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、初めて実施する起業支援プログラムの支援先を、栄養補助食品の開発グループ「ショーディッチ-ソン」に決めた。沖縄の素材を原料に、個人に最適化した非粉末状サプリメントを開発する。8月に県内で法人化し、支援期間の2019年3月までの製品市販を目指す。

 人件費や研究開発費として1500万円を補助する。補助金は沖縄県が拠出する。事業化するのはヨモギ、ベニイモ、ゴーヤーなど沖縄由来の植物を使う製品。新規の効能や利用法を確立するとともに「シーズ」と呼ぶ独自の固形化技術でアスリートらを対象にした高機能サプリを製造する。

 代表で最高経営責任者となるザッカリー・ベル博士は米国人。分子神経科学が専門で、現在は同大学研究室の博士研究員(ポスドク)。7月末の契約満了後に法人を設立する。

 ベル氏のほか日本とイタリア、英国出身のメンバー4人を中心に、沖縄で取り組む。ベル氏らはプログラムの枠組みで、あらためて大学に期間雇用される。職員となることで大学の機器やネットワークを活用できる。

 沖縄科技大は18年度に「スタートアップ・アクセラレータ・プログラム」として起業支援を開始。学外技術の事業化を通じて海外高度人材の呼び寄せや、地域産業の活性化を図る。今回は学内ベンチャーではなく、ベル氏個人の開発・保有技術への支援となる。
日刊工業新聞2018年7月20日
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
ショーディッチ-ソンのチームは、地銀などが主催した3月のピッチイベントで、大胆なプレゼンを披露したのが印象に残っています。そこでは皮膚に貼り付けるサプリの構想を掲げていましたが、今回のスキームではまず固形の実用化にこぎつけるようです。19年3月までにヒトでの摂取試験やパッケージ開発、提携先の選定などを進めるとのことです。

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