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新型「クラウン」の走りを支えるアイシンの製品群

新型「クラウン」の走りを支えるアイシンの製品群

「クラウン」公式ページより

 トヨタ自動車が6月に全面改良した高級セダン「クラウン」向けに、アイシン精機の新製品群が相次ぎ採用された。路面状況に応じ減衰力を自動調整するショックアブソーバー(緩衝器)やドアハンドルなど。クラウンの走行性向上や車体の高剛性化などにつなげた。

 新型アブソーバーは車両状態を推定するアルゴリズムや電子制御ユニット(ECU)を含めたシステムとして供給する。加速度センサーの情報をもとに走行状態を推定し、自動で減衰力を調整する。バルブ部分をKYBと共同開発し、減衰力の調整幅を拡大した。

 車両外側のドアハンドルも受注。人間工学に基づいて厚みや形状を最適化し、握り心地を高めるとともに空力性能も向上させた。

 一方、アイシン子会社のアイシン化工(愛知県豊田市)も鋼板を接合する新型接着剤がトヨタブランドの車に初採用された。
日刊工業新聞2018年7月10日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
6月に発売したハッチバック「カローラスポーツ」の北米向けモデルにも、無段変速機(CVT)などアイシン精機グループ各社の新規開発品が採用されている。今期の業績は売上げ、利益とも微増予想。ATの販売台数が拡大し、1050万台(前期比6・9%増)と、初の1000万台突破を見込む。ATへの投資増のほか、自動運転や電動化などのニーズに対応する。アイシン精機は6月末の株主総会を経て伊勢清貴副社長が社長に就任し、新体制が発足した。伊勢氏はトヨタ自動車出身で、先進技術開発部門のトップなどを歴任。アイシンでは「バーチャルカンパニー」と呼ぶグループ企業を横断する組織のうち、走行安全分野のプレジデントを兼務する。

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