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中国「ロボット大国」の道へ突き進む。今年の販売は最高更新へ

産業用は3割増の18万台に。米中貿易摩擦の影響は限定的
中国「ロボット大国」の道へ突き進む。今年の販売は最高更新へ

中国・美的集団に買収されたドイツの大手ロボットメーカー「クカ」

 【上海=西沢亮】中国の産業用ロボット市場が高成長を維持している。中国ロボット産業連盟(CRIA)は2018年の同国の産業用ロボットの販売台数が過去最高を更新し、前年比約30%増の約18万台になるとの見通しを示した。人手不足などを背景に工場の自動化や省人化需要が拡大しロボット活用のすそ野も広がる。世界最大の中国市場がロボット需要をけん引する。

 CRIAの曲道奎理事長(瀋陽新松機器人自動化総裁)が日刊工業新聞のインタビューに応じ、18年の中国の産業用ロボットの販売台数が「前年比25―35%増程度になる」と述べた。CRIAがまとめた17年のロボット販売台数は同58・1%増の14万1000台。うち海外ロボットメーカーは同71・9%増の10万3200台と全体を引き上げた。業種別では電気電子産業向けが同62・6%増と市場をけん引した。
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
米国政府は産業用ロボットなど中国製品1300品目に対し、知的財産権の侵害を理由に25%の追加関税を課す方針を示している。CRIAの曲理事長は「中国から米国に輸出する産業ロボットはあるが数が少なく、今現在は影響はない」と指摘する。 (日刊工業新聞第一産業部・西沢亮)

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