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「軍艦島」がこれ以上壊れませんように・・・IoTで見守り

東大発ベンチャーの技術もとに開発
 三井住友建設は世界文化遺産に登録されている長崎市端島(通称「軍艦島」)内の30号棟(写真)に、ワイヤレス振動センサーによるヘルスモニタリングシステムを設置、実証運用を始めた。30号棟は1916年に築造した日本最古の高層鉄筋コンクリート造建築物。補修による保存が難しいため、高感度な振動センサー(加速度計)を使って微細な揺れを常時監視し、倒壊など建物の異常を検知する。

 このシステムは東京大学発ベンチャーのソナス(東京都渋谷区)の「マルチホップネットワーク」をもとに構造物の計測用として共同開発した。振動センサーには無線で離れた場所から常時監視が可能なシステムを適用し、異常発生時は警報を発する。

 三井住友建設は今後、設置した構造物から得たデータを分析し、損傷を判定できるよう開発を重ねる。
(2018年6月29日 建設面)
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
他の歴史的建造物などにも応用できるのか気になります。

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