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工場版・トキワ荘?

若手作家を支援し、自分にも刺激
工場版・トキワ荘?

工場の一部スペースを無料で開放。空間装飾・鍛金作家の制作を見守る西川社長(左)

 西川精機製作所(東京都江戸川区、西川喜久社長、03・3674・3232)は、芸術大学を卒業した若手デザイナー・作家との連携事業に乗り出す。同社の作業場の一部を無料で提供し、オブジェなどの作品を製品化して販売する仕組みを構築。10月からインターネットで販売する。現在、若手デザイナーの作品・製品群は40―50作品あり、これらをメーンに順次新作を投入する。2019年度にも年間売上高1000万円を目指す。

 西川精機製作所は15年から、東京都中小企業振興公社の支援事業を通じて知り合った東京芸術大学卒の若手デザイナー向けに、松島工場(東京都江戸川区)2階の作業場の一部を無料で開放。現在、3人のデザイナーが工房を利用している。同社は材料の切り出しなどを手伝い、技術相談にも無償で応じるなど「お互いに良い刺激をし合って、相乗効果が出ている」(西川社長)という。一般的に、芸大を卒業した若手デザイナーは構想があっても、作品を創作するための自由に使える工房がない。作品は一点物が中心で、販売拡大も難しい。そこで、若手デザイナーと協働し、作品の量産化や販売までも行う仕組みを作ったという。

 10月にも既存のウエブページ「交場プロジェクト」をリニューアルし、オブジェなどを販売する。価格が数千円から数十万円までの作品を掲載する。販売契約などは今後、個別に結ぶ。

 同社は切削・板金・溶接・組み立てを得意としており、メッキ治具から医科学機器まで手がける。
(2018年6月18日 中小企業面)
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
デザイナーや作家と交流して、新しいものがいろいろ出てくるといいですね。

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