微細な海洋ゴミを取り締まれ!自主規制の日本、国際社会との間に温度差
改正海ゴミ法が今週中にも成立へ
マイクロプラスチック(マイプラ)と呼ばれる微細な海洋ゴミを規制する「海岸漂着物処理推進法改正案」(改正海ゴミ法)が今週中にも今国会で成立する見通しだ。事業者にマイプラの使用を抑制するよう努力義務を課す初の法規制となる。ただ、海外では使用禁止まで踏み込んだ厳しい規制ができている。温暖化と並ぶ環境問題としてマイプラを捉えた国際社会と日本との間で温度差がある。
飲料容器などのプラ製品が河川から海へ運ばれ、劣化や波で砕かれるうち大きさ5ミリメートル以下のマイプラになる。これが分解されず海に漂い、有害な化学物質を吸収してしまう。
魚や貝が汚染マイプラを食べると体内に蓄積されるため、生態系への悪影響が懸念されている。環境省の調査では、日本周辺海域で北太平洋の16倍のマイプラが見つかった。
議員立法の改正海ゴミ法は河川や海に流れてマイプラとなる製品の使用抑制を事業者に要請する。有害性が確認できた場合、政府に対策を検討するように求める。
対象のマイプラには洗顔料、化粧品、歯磨き粉などに使われるマイクロビーズも含む。肌などの汚れを落とす素材として重宝されるが、目に見えないくらい微細で下水処理場で取り除けない。
産業界では自主規制が始まっている。花王は2016年末、洗顔料などはマイクロビーズに該当しない天然由来素材を使っており、一部製品のマイクロビーズも代替化したと公表した。
日本化粧品工業連合会も16年3月、会員1200社に使用中止を求める文書を出した。「海外動向を見て、速やかな対応を要請した」(連合会)。
海外では規制を強めている。英国は1月、マイクロビーズを含む製品の製造を禁止した。欧州連合(EU)は1月、使い捨てプラ包装容器を30年までに全廃する戦略を公表。5月末には再利用できないストローや容器を禁止する規制案も発表し、マイプラの発生源対策に取り組む。
主要7カ国首脳会議(G7サミット)も海洋ゴミを「世界的脅威」と表現し、警戒する。9日までカナダで開かれたG7サミットは各国に対策を促す「海洋プラスチック憲章」をとりまとめた。だが、日米2カ国は署名しなかった。市民生活や産業への影響を懸念したためだ。
日本で改正海ゴミ法が成立したとしてもマイプラの扱いは企業の自主規制に委ねられる。国際展開する日本企業は厳しい海外規制に対応しないと、世界市場から閉め出される。
飲料容器などのプラ製品が河川から海へ運ばれ、劣化や波で砕かれるうち大きさ5ミリメートル以下のマイプラになる。これが分解されず海に漂い、有害な化学物質を吸収してしまう。
魚や貝が汚染マイプラを食べると体内に蓄積されるため、生態系への悪影響が懸念されている。環境省の調査では、日本周辺海域で北太平洋の16倍のマイプラが見つかった。
議員立法の改正海ゴミ法は河川や海に流れてマイプラとなる製品の使用抑制を事業者に要請する。有害性が確認できた場合、政府に対策を検討するように求める。
対象のマイプラには洗顔料、化粧品、歯磨き粉などに使われるマイクロビーズも含む。肌などの汚れを落とす素材として重宝されるが、目に見えないくらい微細で下水処理場で取り除けない。
産業界では自主規制が始まっている。花王は2016年末、洗顔料などはマイクロビーズに該当しない天然由来素材を使っており、一部製品のマイクロビーズも代替化したと公表した。
日本化粧品工業連合会も16年3月、会員1200社に使用中止を求める文書を出した。「海外動向を見て、速やかな対応を要請した」(連合会)。
海外では規制を強めている。英国は1月、マイクロビーズを含む製品の製造を禁止した。欧州連合(EU)は1月、使い捨てプラ包装容器を30年までに全廃する戦略を公表。5月末には再利用できないストローや容器を禁止する規制案も発表し、マイプラの発生源対策に取り組む。
主要7カ国首脳会議(G7サミット)も海洋ゴミを「世界的脅威」と表現し、警戒する。9日までカナダで開かれたG7サミットは各国に対策を促す「海洋プラスチック憲章」をとりまとめた。だが、日米2カ国は署名しなかった。市民生活や産業への影響を懸念したためだ。
日本で改正海ゴミ法が成立したとしてもマイプラの扱いは企業の自主規制に委ねられる。国際展開する日本企業は厳しい海外規制に対応しないと、世界市場から閉め出される。
日刊工業新聞2018年6月14日