立体映像を空中にすぐ投影!千葉大がホログラフィーで実現
1台のプロジェクターで投影が可能。ディスプレーの大型化や人の動きとの連動も目指す
千葉大学の角江崇助教、下馬場朋禄准教授、伊藤智義教授らの研究チームは、立体映像を空中にリアルタイムに投影するシステムを開発した。ホログラフィーを利用した簡易なシステムで、入力した映像を一般的なパソコンで計算処理し、ホログラフィーの再生像として空中に映し出す。実験では、骨格の見える透明な魚の絵が動く動画を即時に投影した。
光の干渉と回折を利用して立体像を記録・再生するホログラフィー技術と、向かい合わせに配置した2枚の放物面鏡(凹面鏡)を使う。2センチ×1センチメートルの小型の液晶ディスプレーに表示した映像を、まず、その上空にホログラフィーの再生像として浮かび上がらせる。さらに、放物面鏡を使ってこの再生像を10数センチメートル離した空中に投影する仕組み。
ホログラフィーの再生像とディスプレーとの距離を数センチメートルレベルに狭めることで、計算量を大幅に削減。画像処理用のグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)などのハードウエアを使わずに、リアルタイムな投影を実現した。
実験では、体長約4ミリメートルの動く魚の立体映像と、2ミリメートル角の立方体の映像を共にリアルタイムに投影できた。魚の映像は毎秒約20フレームで再生でき、より簡易な立方体の映像は同80フレームでスムーズに映し出せる。
従来、空中に映像を投影するには、数百台のプロジェクターをつなぐことや、スクリーンを回転させるといった機械的な処理が必要でシステムが複雑だった。これに対し、開発したシステムは、1台のプロジェクターで投影が可能。現状では一方向からしか見えず、投影像が小さい課題はあるが、今後、ディスプレーを大型化するなどして改良する。
さらに、人の動きをとらえるモーションセンサーやヘッドトラッキングなどと組み合わせることを想定。人が空中の映像を触ると、それに応じて映像が変形したり、回転したりするといったインタラクティブ(双方向的)なシステムを実現することを目指す。
英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に8日掲載された。
光の干渉と回折を利用して立体像を記録・再生するホログラフィー技術と、向かい合わせに配置した2枚の放物面鏡(凹面鏡)を使う。2センチ×1センチメートルの小型の液晶ディスプレーに表示した映像を、まず、その上空にホログラフィーの再生像として浮かび上がらせる。さらに、放物面鏡を使ってこの再生像を10数センチメートル離した空中に投影する仕組み。
ホログラフィーの再生像とディスプレーとの距離を数センチメートルレベルに狭めることで、計算量を大幅に削減。画像処理用のグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)などのハードウエアを使わずに、リアルタイムな投影を実現した。
実験では、体長約4ミリメートルの動く魚の立体映像と、2ミリメートル角の立方体の映像を共にリアルタイムに投影できた。魚の映像は毎秒約20フレームで再生でき、より簡易な立方体の映像は同80フレームでスムーズに映し出せる。
従来、空中に映像を投影するには、数百台のプロジェクターをつなぐことや、スクリーンを回転させるといった機械的な処理が必要でシステムが複雑だった。これに対し、開発したシステムは、1台のプロジェクターで投影が可能。現状では一方向からしか見えず、投影像が小さい課題はあるが、今後、ディスプレーを大型化するなどして改良する。
さらに、人の動きをとらえるモーションセンサーやヘッドトラッキングなどと組み合わせることを想定。人が空中の映像を触ると、それに応じて映像が変形したり、回転したりするといったインタラクティブ(双方向的)なシステムを実現することを目指す。
英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に8日掲載された。
日刊工業新聞2015年07月09日 科学技術・大学面