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昔ながらの木灰を使った「沖縄そば」再現!アルカリ剤改良し減塩効果も

沖縄県工業技術センターなどが「かんすい」で製造しためんを開発
昔ながらの木灰を使った「沖縄そば」再現!アルカリ剤改良し減塩効果も

沖縄そば(写真はイメージ)

 【那覇】沖縄県工業技術センターは、沖縄そばに使うアルカリ剤「かんすい」を改良し、昔ながらの木灰を使っためんの味わいを再現した。灰に含まれる硫酸イオンに、うま味を増す効果があると分析。カリウムや鉄イオンを適正濃度で配合し伝統の味に近づけた。現在2社が使用中。減塩も期待できるとして普及を進める。
 
 開発は沖縄製粉(那覇市)、沖縄生麺協同組合(同)と共同で行った。近年は中華めん用かんすいを使うことがほとんどで、硫酸イオンは含まれない。一方、開発したかんすいで製造しためんは従来製品に比べアルカリ臭が少ない。そのためスープを減塩して薄味にできるなど「やさしい味になる」(望月智代主任研究員)効果がある。

 沖縄では伝統的にガジュマルなどの木を燃やした灰から木灰汁を抽出し、めん製造に使っていた。しかし生活様式が変わり木を燃やすことが少なくなったため、現在も使用するのは数店舗にとどまるという。

 沖縄県工技センターは、めんのアルカリ臭を消すためスープの味付けが濃くなったとみている。望月主任研究員は「開発したかんすいを使えば、もともとのスープの味を楽しめるはず」と期待する。
日刊工業新聞2015年07月06日 中小企業・地域経済面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
個人的には「首里そば」が一番好きです。今すぐにでも行きたい。

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