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IoT自販機で「ふるさと納税」、町に観光に来た人でも簡単に

サンデン・リテールシステムが開発、自治体と生産者をつなぐ
IoT自販機で「ふるさと納税」、町に観光に来た人でも簡単に

サンデンRSとグローキーアップなどが共同開発したIoTふるさと納税自販機

 サンデンホールディングスの子会社で自動販売機事業などを展開するサンデン・リテールシステム(サンデンRS、東京都千代田区)は、IoT(モノのインターネット)を活用した「ふるさと納税自販機」を開発した。ふるさと納税の返礼品を選択して表示された金額を入れると、返礼品の生産者や配送者に情報が伝達。住所を事前登録しておくことで、自動的に自宅へ品が届く。今秋にも国内の一部地域で設置され、将来は2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に合わせて普及を図る考えだ。

 「IoTふるさと納税自販機」は、グローキーアップ(東京都港区)などと連携して開発。グローキーアップが開発したシステム「ふるさと納税UNIOSS」を基幹に、自販機と自治体、生産者などをつないでいる。

 納税希望者は、クレジットカードなどIC(集積回路)が埋め込まれたカードを、自販機のリーダーにタッチして返礼品を選び、納税する。

 すると、UNIOSSが自治体に納税情報を、商工会に返礼品の注文を、生産者に出荷依頼を自動で発送。数日後に、納税者に品が届く。

 グローキーアップの鍵和田芳光社長は、自販機をつくったきっかけについて「ふるさと納税をする人が、これまではネットに明るい若い層のみに偏っていた。

 納税額も集まりにくかった。町に観光に来た人でも簡単に納税できる仕組みをつくれば、あらゆる年齢層を取り込め、納税額も増えると感じた」と話す。

 2016年度のふるさと納税額は国民1人当たり約2200円。設置を検討しているある自治体では、年間380万人の観光客を受け入れている。例えば、その自治体を訪れた年間観光客全員が2200円のふるさと納税をするとしたら、総額は83億円を超える。

 今後、道の駅や空港など観光客の集まる場所への自販機設置を進めていく。
(文=山田諒)
日刊工業新聞2018年3月8日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
自販機自体にも改良を加え、サンデンRS担当者も「ふるさと納税のさらなる活性化を図っていきたい」という。 (日刊工業新聞第一産業部・山田諒)

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