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短大と看護専門校が統合した公立4年制大学、地元「小松」の期待

入試8.41倍の人気、若者は次世代の担い手として定着するか
短大と看護専門校が統合した公立4年制大学、地元「小松」の期待

JR小松駅前の公立小松大学・中央キャンパス

 四年制大学の「空白地」だった石川県・南加賀地区に4月、小松市が設置する公立大学法人「公立小松大学」が開学する。短期大学と看護系専門学校を再編・発展的に解消して四年制大学を新設する珍しいケースで、地域の自治体、企業と交流・連携した教育を通じ、高度な専門能力を持つ職業人の育成を掲げる。人材不足に悩む地元企業は開学を歓迎。学生の地元定着に期待を寄せる。

 前身は公設民営で設立された小松短期大学(1988年開学)と、こまつ看護学校(1995年開学)。公立小松大学は両校の教育内容を継承し、3学部を設置する。

 小松短大は粟津キャンパス(石川県小松市)として、生産システム科学部1学科2コースで構成。南加賀地域はコマツが建設機械の生産拠点を構えており、協力企業100社を越える企業城下町でもある。地域の産業構造を踏まえ、IoT(モノのインターネット)に対応できる高度な専門知識を身に付けることを目指す。

 こまつ看護学校は末広キャンパス(同)として保健医療学部2学科を設置し、このうち臨床工学科を国公立大学で初めて設ける。また、JR小松駅前の複合ビル「こまつアズスクエア」に中央キャンパスを置き、国際文化交流学部1学科2コースが入居する。

 設置者の小松市は「産学官の連携や地域との共創で、世界とふるさとで活躍するひとづくりを力強く進める」(和田愼司市長)とできる限りの支援を約束する。

 地元で開学する四年制大学に、地域の中小企業も期待を寄せる。「グローバル人材を育ててほしい」と希望するのは、化学繊維の加工製造を手がけるサンコロナ小田(小松市)の小田外喜夫社長。「当社なら海外でも仕事ができる。学生は地元企業へも目を向けて」と要望する。

 「インターンシップ(就業体験)や講義など、さまざまな面で協力したい」と連携に前向きなのは、ライオンパワー(同)の高瀬敬士朗社長。電線加工機のほか、医療機器も製造しており、「保健医療学部とも連携できるのでは」と意欲を示す。

 受験生からの注目度も高く、一般入試の倍率はA・B日程の合計募集人員180人に対して、志願者数は1513人と8・41倍の倍率だった。

 若者の地元定着という期待を背負いつつ、優れた人材の輩出と産学官の拠点としての役割も担う公立小松大。取り組みに注目していきたい。
(文=金沢・本荘昌宏)
日刊工業新聞2018年3月8日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
 ここから歩いて1分ほどのところに僕の実家があります。小松駅前の一等地、子どもとの頃に西友が進出しその後、西武百貨店に業態転換。西武が撤退し代わりに行政が口説いて地元の「大和百貨店」が射貫きで入りました。その大和も不採算に耐えられず、撤退。長く利用者がいなく市が腐心していました。周辺の国道沿いに大型の専門店などがたくさんできて、駅前を中心とする旧市街地が衰退する地方で日常化しているパターンです。  しかも小松の場合、駅の反対側にあったコマツの産業機械の工場が大きな港を作った金沢市に引き抜かれました(今はコマツのグローバル研究センターと公園になっています)。小松市は約人口10万人で僕の生まれて当時とほとんど変わっていません。ただ経済の衰退感は大きい。自衛隊基地があるという甘えもあったのではないでしょうか。  石川県には北陸先端科学技術大学大学院や金沢工業大学などユニークな大学も出はじめています。北陸ではお隣の富山や福井は東大進学率も高く以前から「教育県」と言われてきました。「公立小松大学」に自分としても役に立てることがあれば、とも思います。

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