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【今週のリケジョ小町】“シェアナンバーワン”目指すリケジョ

クラボウ 加地 恵さん
**半導体生産用フィルターの開発
「“シェアナンバーワン”の商品を作りたい」。クラボウの加地恵さん(27)は笑顔でさらりと話すが、瞳の奥底には技術者として確固とした決意がある。半導体生産で使う、微量金属除去フィルターの開発に携わっている。導入したての性能評価機を任され、マニュアルでは解決できない課題に果敢に挑む毎日だ。

“出口”明確な研究がしたい


「中学生の頃から理系科目が大好きです。長崎大学工学部では高分子を研究していました。高分子の研究は楽しかったですが、以前から興味があった有機化学も研究し、もっと自分の可能性を広げたいと考えました。そこで豊橋技術科学大学大学院の環境・生命工学専攻に進学。大学院では触媒技術を研究し、新しい触媒を探索していました」

「“出口”となる目標が明確な研究がしたくて、企業の研究職を目指しました。クラボウを知ったきっかけは、就職活動の際に偶然読んだ繊維関係の商品開発に関する記事です。衣服の形状記憶技術など、当時知らなかった内容にひかれました。現在は技術研究所(大阪府寝屋川市)に勤務しています。2017年に導入した、液体中の複数の金属濃度を効率的に計測できる装置を使って、微量金属除去フィルターの性能を評価しています」

“シェアナンバーワン”目指す


「最新機器とはいえ、ちょっとした操作方法の違いで測定できないケースがあります。マニュアルにも対処法が載ってなければ、手探りで解決策を見つけます。なんとかクリアした時は、私の発見した解決策が研究所の知見の蓄積にもつながり、達成感があります。いつか“シェアナンバーワン”の商品を手がけるためにも、必要な能力を身に付けていきたいです」

「休日は学生時代からジムに通って体を動かし、リフレッシュしています。無理をしない程度にダンベルを挙げたり、ランニングをしたりしてストレスを発散しています」

    
日刊工業新聞2018年1月29日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
笑顔の写真が印象的な加地さん。根っからのリケジョが日々楽しみながら仕事をしている様子が伝わります。

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