電気式に勝った機械式!?震災時にダンパーが揺れを相殺する制御システム
東京農工大とソルーションが共同開発。油圧回路のため電源喪失のリスクなく
東京農工大学工学府機械システム工学専攻の田川泰敬教授は、防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センターの梶原浩一センター長、ソルーション(東京都小金井市)と共同で、電子制御を使わない機械式アクティブ制振システムを開発した。震災時にダンパーが揺れを相殺するように働く。機械式のためセンサーの劣化や電源の喪失といった危険性がない。特許化を済ませ、ゼネコンや重機メーカーに提案していく。
アクティブ制振は、外部から供給するエネルギーを利用して振動を制御する技術。センサーで揺れや力を計測し、振動を打ち消すようにダンパーなどを働かせる。振動を受動的に吸収する免震機構などに比べて大きな振動を制御できる半面、センサーの更新や電源の確保が必須だった。そこで保守が簡単な機械式のアクティブ制振システムを開発した。
蓄圧器に油圧エネルギーをためておき、揺れに応じて油圧回路で打ち消す方向に力を出す。ビルに見立てた300キログラムの模型で振動実験を行ったところ、揺れ幅を3分の1以下に減らせた。
振動周期は4割ほど遅くなり、建物の損傷を軽減できることを確認した。実験では1方向の振動を検証しており、機構を2方向に組み合わせることによって横揺れも抑えられる。
機械部品は電子部品に比べ劣化が緩やかで保守効率が高い。太陽光などの自然エネルギーを利用して時間をかけて制振エネルギーを蓄えることも可能。ソルーションが特許化し、インフラや港湾クレーンなどの制振機構に提案していく。
アクティブ制振は、外部から供給するエネルギーを利用して振動を制御する技術。センサーで揺れや力を計測し、振動を打ち消すようにダンパーなどを働かせる。振動を受動的に吸収する免震機構などに比べて大きな振動を制御できる半面、センサーの更新や電源の確保が必須だった。そこで保守が簡単な機械式のアクティブ制振システムを開発した。
蓄圧器に油圧エネルギーをためておき、揺れに応じて油圧回路で打ち消す方向に力を出す。ビルに見立てた300キログラムの模型で振動実験を行ったところ、揺れ幅を3分の1以下に減らせた。
振動周期は4割ほど遅くなり、建物の損傷を軽減できることを確認した。実験では1方向の振動を検証しており、機構を2方向に組み合わせることによって横揺れも抑えられる。
機械部品は電子部品に比べ劣化が緩やかで保守効率が高い。太陽光などの自然エネルギーを利用して時間をかけて制振エネルギーを蓄えることも可能。ソルーションが特許化し、インフラや港湾クレーンなどの制振機構に提案していく。
日刊工業新聞2015年06月26日 科学技術・大学面